週明け13日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比151.38ポイント(0.80%)高の19115.06ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が42.78ポイント(0.69%)高の6761.64ポイントと3日続伸した。ハンセン指数は節目の19000ポイントを回復し、昨年8月10日以来、約9カ月ぶりの高値水準を切り上げている。売買代金は1472億3780万香港ドルに縮小した(10日は1710億100万香港ドル)。





中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。外電は13日、「中国は今週17日に超長期特別国債の発行を開始するもよう」と報じた。市場活性化の期待が続いたほか、本土からの香港・マカオ入境が緩和されたことも関連銘柄にとっての追い風となっている。中国金融統計の下振れや、米国の対中圧力などを不安視した売りが先行したものの、下値は堅く、指数は中盤からプラスに転じた。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が5.9%高、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が4.5%高、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が4.2%高と上げが目立った。





セクター別では、カジノ関連が高い。上記した金沙中国のほか、澳門博彩HD(880/HK)が8.6%、永利澳門(1128/HK)が5.1%、美高梅中国HD(2282/HK)が4.7%ずつ上昇した。入境者の増加が期待される。中国の出入境管理局は11日、香港・マカオへの個人旅行を認める都市のリストに8都市を追加すると発表した。これで、香港・マカオへの個人旅行が認められた都市は59都市に増加。規制緩和のペースが加速している。カジノ株のほか、香港の消費関連株も買われた。





ゼネコンや建機などインフラ建設関連も物色される。中国中鉄(390/HK)が4.5%高、中国交通建設(1800/HK)と中国鉄建(1186/HK)がそろって3.3%高、中国龍工HD(3339/HK)が10.3%高、中聯重科(1157/HK)が2.3%高で引けた。超長期特別国債の発行で、公共事業が拡大するとの思惑が広がっている。





半面、自動車セクターは総じてさえない。浙江零ホウ科技(9863/HK)が4.7%、小鵬汽車(9868/HK)が3.8%、中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が3.3%、蔚来集団(9866/HK)が1.7%ずつ下落した。米国の対中圧力を警戒。外電が報じたところによれば、バイデン米政権は早ければ14日にも、電気自動車(EV)や半導体などの戦略的分野を対象に新たな関税を発表する可能性があるという。半導体関連の一角も売られた。





一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.21%安の3148.02ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。消費関連株、太陽光発電株、医薬株、不動産株、素材株、エネルギー株、保険株なども売られた。半面、ゼネコンや電力設備などインフラ関連株は高い。銀行株、運輸株、公益株も買われた。



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