栃木、群馬、長野3県警の合同捜査班は16日、栃木県で発生した強盗事件の被害者名義のキャッシュカードで現金を引き出そうとしたとして、窃盗未遂の疑いでベトナム国籍、住所不詳、自称内装工の男(25)を逮捕したと発表した。3県の強盗事件と南会津町で発生した強盗致傷事件について、福島を含めた4県警が関連を捜査する。
 逮捕容疑は4月30日、栃木県佐野市のコンビニのATMでキャッシュカードを使い現金を引き出そうとした疑い。容疑を否認しているという。男は15日午後0時35分ごろ、群馬県高崎市の宿泊施設で逮捕された。このほか、入管難民法違反(不法残留)の疑いで、男と一緒にいたベトナム国籍、住所不詳、無職の男(23)を逮捕した。
 捜査班によると、カードと容疑者の車を押収しており、事件に使用したかどうかを調べる。
 粘着テープ事前準備か
 南会津町藤生(とうにゅう)字馬寄ノ上の60代女性方の一軒家に14日未明、複数の男が押し入り現金1万数千円が奪われた強盗致傷事件で、男らが事前に粘着テープなどを準備した上で押し入ったとみられることが15日、捜査関係者への取材で分かった。南会津署は計画性があったとみて捜査している。栃木など近隣の3県でも発生した強盗事件と手口が似ていることから、県警は各県警と情報を共有して関連を調べている。
 捜査関係者によると、男らが女性の手首を縛る際などに使用した粘着テープは女性のものではないという。加えて、窓を割るための工具なども男らが事前に準備していたとみられる。近隣住宅に不審者が訪れた情報がないことから、女性方だけを狙って事件を起こした可能性もある。
 また男らは、住宅の窓ガラスを割って窓から土足で侵入し、室内を物色したとみられることも捜査関係者への取材で判明。室内を物色後、男らが車で逃走した可能性が高いという。同署には不審車両に関する情報も複数寄せられており、車両の特定に向け捜査を進めているほか、逃走経路、現金のほかに奪われたものはないかなどを調べている。
 4月末以降、栃木、長野、群馬の3県でも強盗事件が立て続けに発生。各県警によると、いずれも夜間に発生し、周辺に住宅が少ない山間部の一軒家に2人組の男が押し入ったという。