ゴールデンウィーク後半、バーベキューや川遊びを楽しむ人たちでにぎわいを見せていたのは、栃木・鹿沼市の一級河川・大芦川です。

“関東一の清流”と言われるこの川で、今、バーベキューなどをめぐって迷惑行為が相次ぎ、市が「禁止」に乗り出す事態となっています。

迷惑行為相次ぐ…注意も“無視”

「めざまし8」の取材班が現地を取材すると、「飛び込み禁止」の看板が設置されている中、身の危険を顧みず、川に飛び込む人たちの姿が…。

取材スタッフ:今、川に飛び込みました!川に飛び込むの禁止!危ない!
男性:大丈夫!
男性:いいんだよ!

さらに、周辺住民を悩ませているのが、騒音問題やごみの不法投棄です。

地元住民:
騒音すごいんですよ。太鼓とか音立てたり、わめいたりとかもやって、注意しても、全然きかないし。

地元住民:
川のきれいなところで、バーベキューしたりするんだけど、ごみの不法投棄っていうかな。それが一番問題だね。静けさの中に、この川のせせらぎの音。そして、コロコロ鳴くカエルとか、小鳥の声とか、そういうのが自然体で子供のうちからずっと培って、ここにはそういう自然があったのに、いつしかそれが壊されるっていうのは…。

大芦川沿いでは、コロナ禍だった2020年ごろからバーベキューをする人が増え始め、それとともに迷惑行為も増加。年々、エスカレートしているといいます。

そのため鹿沼市は、4月に新たな条例を施行。
内容は、ゴールデンウィーク期間の5月3日〜6月までの4日間、指定された一部のエリアを除き、バーベキューや花火などを禁止するというものです。違反者には、1人5万円以下の制裁金が科せられます。

禁止エリアでBBQ 私有地に侵入も…

市の職員がパトロールに向かうというので、取材班も同行しました。
職員が声をかけたのは、禁止エリアでバーベキューをしていたとみられるグループ。

職員:こちら、これは火使っている?
男性:これ電気です、電気。発電機で。

男性:まだ、とりあえず火つけてないですよ。
職員:これガス式ですよね?
女性:でも、今使ってない。火ってダメなんですか?
職員:ダメなんですよ。

さらに、バーベキューをするために訪れたというネパール人のグループは…。

職員:こんにちは。(鹿沼)市役所です、川遊び?どちらにご用ですか?きょうは、どちらに行きますか?
ネパール人の男性:バーベキュー!バーベキューしたいけど、ダメ?
職員:ここはダメ。ここはダメ。
ネパール人の男性:ダメ?
職員:ダメ。
ネパール人の男性:もう帰ります。

禁止エリアであるとの説明を受けると、諦めた様子で車でその場を離れましたが、約2時間半後に別の場所でバーベキューをしていました。

職員が再度「ここバーベキュー禁止、さっきも会いましたよね?」と声をかけます。

――禁止だと知らなかったのですか?
ネパール人の男性:
知らなかった。去年やっていたから。今度は絶対しないからね。ここOKと思って、わかんなかったね。もう、これからもう帰ります。

今年から新たな条例が施行されたことを知らず、禁止エリアを把握していなかったといいます。

さらに取材を進めると、河岸でギターをかき鳴らし大声でご機嫌に歌うグループや、私有地とは知らず禁止エリアに入ってしまった観光客の姿もありました。

職員:こちら立ち入り禁止なんで上がってください。ここ入るところ、黄色いロープになっていますよね。ここ私有地なんで、勝手に入っちゃうと。

市の職員者が行った指導や呼びかけは、1日で実に28件にのぼりました。相次ぐ迷惑行為に、市の職員は…。

鹿沼市地域課題対策課 金子隆幸 係長:
条例の方の規制に、やむなく取り組ませていただいたと。将来的にはマナーが良くなっていって、規制の方も緩和していくっていうふうなところが、望ましい形かなって思っています。
(めざまし8 5月6日放送)