木原防衛相は17日の記者会見で、北朝鮮や中国が開発や配備を進める極超音速ミサイルを迎撃するための新型ミサイルの日米共同開発について、「本格的にスタートした」と述べた。

音速の5倍以上の速さで変則軌道で飛行する極超音速ミサイルは、現状ではレーダーによる追尾や迎撃が難しいとされ、北朝鮮や中国、ロシアが開発や生産、配備を進めている。

日米両政府は15日、迎撃するための新型ミサイル「GPI(滑空段階迎撃用誘導弾)」の共同開発について、役割分担などを定めた取り決め文書に署名した。

日本側はミサイルのロケットモーターや「キルビークル」と呼ばれる弾頭部分の推進装置を担う。

木原防衛相は会見で、共同開発について、「極超音速兵器に対する迎撃能力の早期向上を図るものであり、我が国の統合防空ミサイル防衛能力の強化に資する」と述べた上で、「2030年代の開発完了を目指し、日米両国でスピード感を持って着実に進めていく」と強調した。

日米による迎撃ミサイルの共同開発は、「SM3ブロック2A」以来で、2例目となる。