審判に関する新番組「Jリーグ審判レポート」で2D&3Dラインの作成と使い分け紹介

 スポーツチャンネル「DAZN」による、今シーズンの審判に関する新番組「Jリーグ審判レポート」が配信され、オフサイドラインに関する2Dラインと3Dラインの作成と使い分けが紹介された。

 例に挙げられたのは4月7日のJ1第7節、川崎フロンターレとFC町田ゼルビアの試合の後半4分、町田FW藤尾翔太がヘディングでゴールしたかという場面だった。ここでは、その攻撃の中で藤尾からFW藤本一輝に出たパスがオフサイドか際どい場面となり、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が立体的にラインを仮想する「3Dライン」を使用してチェックした結果、わずかに藤本がオフサイドポジションにいたとしてゴールが取り消された。

 公開されたVARルームの音声ではこの試合の榎本一慶VARが「奥の選手の左肩、3Dいこう」と、3Dラインを使用したチェックをすることを決断している様子が入っていた。また、山本雄大レフェリーがピッチ上の選手たちに「オフサイドのところがだいぶタイトなので、3D使っているので時間ください」と説明している音声も入っていた。

 日本サッカー協会(JFA)の廣瀬格審判インストラクターは、確認に3Dラインを使用した理由を「肉眼で見てもどちらの選手がゴールラインに近いか非常に難しい。もう1つは身体の部位、足なのか空中にある部分なのか、どこが最終ラインになるかゴールラインにより近いのかが2Dライン(平面的な線をピッチ上に仮想するもの)ではなかなか目視できない。空中にある身体の部位を見る時は、2Dでは補いきれないので3Dを使用する」と説明した。

 この試合を見ていたという、ゲスト出演した元日本代表DF太田宏介氏は「VARが介入して結果が出るまでの時間が、『あ、早い』と思った」という感想を話した。また、VARが介入して確認を行っている時間について「選手自身はあまり長く感じない。仮に時間的に長くても、それまでのプレーや今チームで起きていることをチームメイトと話せるのでマイナスな時間ではなく、むしろポジティブな時間。体感としてもすぐに終わったんだ、決まったんだとなるし、長いなと思ったことは1回もない」と現役時代の印象を話した。

 廣瀬インストラクターは「VARがやるのは、ボールが蹴られた瞬間を捉えること。この瞬間にオフサイドの判断になる」として、「その後は守備側競技者、攻撃側競技者の順にラインを引いていく。特に、どの部位が最終ラインになるのか色々な画面を使いながらVARが見て、オペレーターにこの部分で線を引いてほしいと伝える」と、判定の手順を解説していた。

FOOTBALL ZONE編集部