賭博違反でサッカー界を揺るがしたトナーリ

 イングランドサッカー協会(FA)は現地時間5月2日、今季からニューカッスルに加入したイタリア代表MFサンドロ・トナーリに対し、2か月間に及ぶ出場停止処分を発表した。英メディアは「トナーリによる賭博全ての内訳が発覚」と大々的に取り上げ、ニューカッスルは「治療計画と教育プログラムに向き合っている」と声明を出している。

 イタリア1部ACミランで活躍したトナーリは、イタリア人史上最高額となる7000万ユーロ(約115億円)でニューカッスルに移籍。今季の大目玉となる補強の1人として注目を集めていたが、ミラン在籍時の賭博規則の違反が判明し、昨年10月にイタリアサッカー連盟(FIGC)から10か月間の出場停止処分を言い渡され、ピッチから姿を消していた。

 深刻なギャンブル依存症が発覚したことで、世間の見る目が変わることになったトナーリだが、今月2日にFAが発表した内容によると、2023年8月12日から10月12日までの期間にサッカーの試合へ賭博していたことが発覚。50回にわたってFAの賭博規則に違反したことを受け、トナーリには2ヶ月間の出場停止処分と2万ポンド(約383万円)の罰金処分が科されると発表した。

 英メディア「スポーツ・バイブル」は「トナーリによる賭博全ての内訳が発覚」と大々的に取り上げ、「このイタリア人選手によるニューカッスルに関連した賭博では、2023年9月2日にニューカッスルがブライトン戦で勝利するか、9月30日のバーンリー戦で勝利するかのベットに加え、9月16日のブレントフォード戦での勝利、9月27日のマンチェスター・シティ戦での勝利、10月8日のウェストハム戦での勝利に賭けられていた」と、全ての試合でニューカッスルの勝利に賭けており、自身も5試合のうち4試合に出場していた。

 ニューカッスルは公式サイトで「トナーリはクラブの全面的な支援のもと、治療計画と教育プログラムに向き合っており、今後はチームメートたちとトレーニングにも励む予定だ」と声明を出していた。ギャンブル依存症はサッカー業界だけにとどまらず、野球業界でも大きな話題を呼んでおり、深刻な社会問題となっている。

FOOTBALL ZONE編集部