10位:アンドレアス・クリステンセン(デンマーク代表)

 サッカー選手を評価する指標はさまざま存在しており、そのうちの一つが「年俸」だ。トッププレイヤーたちが集まるスペイン屈指の名門クラブ、バルセロナで最も高額な給料を手にしているのは誰だろうか。今回はバルセロナの選手の年俸ランキング1〜10位を紹介する。※各選手の推定年俸は『Capology』を参照。なお、金額が並んだ場合の順位はサイトに準拠する。スタッツは5月2日時点の『transfermarkt』を参照。
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生年月日:1996年4月10日
推定年俸:900万ユーロ(約12.6億円)
今季リーグ戦成績:25試合1ゴール2アシスト

 バルセロナの壊滅的な財政状況は、経験豊富なデンマーク代表DFの去就にも大きな影響を及ぼしている。

 2022年夏にチェルシー(イングランド)からフリーで加入したアンドレアス・クリステンセンは、スペインの地でもその能力を如何なく発揮した。移籍初年度は怪我の影響もあってリーグ戦の出場は23試合に留まったが、今季はリーグ戦25試合に出場。そのうち先発出場は24試合と、シャビ・エルナンデス監督からの信頼は非常に高い。

 昨季から大きく変わったのは、今季のクリステンセンは中盤の位置からチームに貢献していることだ。本職センターバックの同選手が、MFオリオル・ロメウの代わりにピボーテ(中盤の底)として起用されている。このコンバートに対して、28歳のデンマーク代表は「私はディフェンダーだ。その役割は基本的にバランスを保ち、ライバルのカウンター攻撃を避けることを目的とした守備的なものなので、難しいことではない」(『barcauniversal.com』)と話しており、新しい役割への適応に大きな困難は無かったようだ。本来はロメウの安定感に欠けるパフォーマンスと中盤の負傷離脱者続出による「応急措置」だったが、いまやクリステンセンは中盤の重要な戦力としてカウントされている。

 優れたユーティリティー性を発揮し、バルセロナで充実した日々を過ごすクリステンセンだが、クラブの財政問題によって今夏クラブを去る可能性があるようだ。スペインメディア『FICHAJES』は4月25日の記事で、「選手は継続の意思を明らかにしているが、経済的必要性がすべてを変える可能性がある」と報じた。

 同メディアによれば、クリステンセンに対して複数のプレミアリーグのクラブが関心を示しており、6000万ユーロ(約84億円)ほどの売却額が期待できるという。クラブは同選手に年俸として900万ユーロ(約12.6億円)を支払っており、フリーで獲得した同選手を放出すれば多額の利益が見込める。今夏にクラブとクリステンセンが下す決断に注目だ。

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9位:ペドリ(スペイン代表)
生年月日:2002年11月25日
推定年俸:938万ユーロ(約13.1億円)
今季リーグ戦成績:19試合2ゴール2アシスト

 バルセロナの未来を担う若きタレントが9位となった。

 現在21歳のペドリは、2020年夏にスペイン屈指の名門に加入。移籍初年度である20/21シーズンは、開幕戦となった第1節ビジャレアル戦でバルセロナデビューを果たすと、10月に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の試合ではクラブ史上3番目の若さでCL初ゴールをマークするなど、鮮烈な1年を過ごした。その非凡なパスセンスと広い視野から「アンドレス・イニエスタの後継者」と称賛を受け、2022年からはレジェンドMFの背番号である8番を着用している。

 そんなスペイン代表MFの推定年俸は938万ユーロ(約13.1億円)。年俸ランキングトップ10の中で最も若い選手となった。既にバルセロナの中盤に欠かせぬ存在となったペドリがこの金額を手にしていることに異論はないだろう。

 しかしながら、勤続疲労による稼働率の低下は気になるところだ。今季は、2023年8月、12月、そして先月のアスレティック・ビルバオ戦で右足大腿直筋を損傷したことにより、3度の負傷離脱。バルセロナのユニフォームに袖を通してから今季で4シーズン目となるが、この間に8度の負傷離脱を経験している。この影響もあって一時は1億ユーロ(約140億円)の大台に達していたペドリの市場価値は8000万ユーロ(約112億円)まで下落してしまった。

 依然として同選手は高い評価を得ているが、往年のサッカーファンであれば、度重なる怪我でその輝きを失った才能豊かな選手たちを何人も見てきたはずだ。このまま「怪我がちな選手」というイメージを拭い去ることが出来なければ、いつかはそのサラリーが高く見えてしまう日が来るかもしれない。来季こそは大きな怪我無く、フルシーズンを駆け抜けて欲しい。

8位:イニゴ・マルティネス(スペイン代表)
生年月日:1991年5月17日
推定年俸:938万ユーロ(約13.1億円)
今季リーグ戦成績:16試合0ゴール0アシスト

 8位にはスペイン代表DFイニゴ・マルティネスがランクインした。32歳のバスク人は1年間に938万ユーロ(約13.1億円)を手にしている。

 昨夏にアスレティック・ビルバオとの契約が満了となったI・マルティネスは、フリーでバルセロナへ移籍。クラブと2年契約を結んだ。貴重な左利きセンターバックである同選手は、正確なキックでシャビ・エルナンデス監督のサッカーを後方から支えるのは勿論のこと、試合途中からピッチに立っても素早く順応して安定したパフォーマンスを披露することができる。監督が頼りにしていることは間違いないだろう。

 しかし、同選手には放出の噂が絶えない。その理由はクラブが抱える財政難にある。

 現在、バルセロナにはロナルド・アラウホ、ジュール・クンデ、I・マルティネス、ブレイクを遂げたパウ・クバルシ、そして中盤にコンバートされたアンドレアス・クリステンセンと、5人のCBが在籍。この中からクラブが今夏の移籍市場で少なくとも1人を退団させることが確実視されている。『スポルト』のフェラン・コレアス記者によると、クラブは現状のままでは来季のサラリーキャップ要件を満たすことが困難であるため、I・マルティネス放出の可能性を検討しているそうだ。

 このような厳しい状況下で、I・マルティネスがチーム唯一の左利きCBであることはクラブの決断に影響を与えるかもしれない。先日には『スポルト』が、バイエルン・ミュンヘンやマンチェスター・ユナイテッドがアラウホ獲得に乗り出していると報じており、他選手の去就によっては残留する未来も十分に考えられる。来季、I・マルティネスはどのクラブのユニフォームを身にまとっているのだろうか。

7位:フェラン・トーレス(スペイン代表)
生年月日:2000年2月29日
推定年俸:1000万ユーロ(約14億円)
今季リーグ戦成績:25試合7ゴール2アシスト

 2022年冬にバルセロナが移籍金5500万ユーロ(約77億円)を投じてマンチェスター・シティ(イングランド)から引き抜いたフェラン・トーレスは、1000万ユーロ(約14億円)の年俸を受け取っている。

 この移籍金、この給料は妥当なのか…。この疑問は何度もメディアやサポーターたちの間で議論の的となってきたが、今夏も大きな話題の1つになるだろう。スペインメディア『FCBN』は「彼はチームにとって重要な選手になれることを証明した。しかし現実的には、バルサは一定の条件が満たされている限り、彼を手放すという考えを嫌がっているようには見えない」としている。

 前線ならどこでもプレーできるポリバレントなF・トーレスだが、各ポジションでレギュラー争いに巻き込まれている。右ウィングには驚異的な活躍を見せるラミン・ヤマル、センターフォワードにはロベルト・レヴァンドフスキ、そして左ウィングにはラフィーニャとジョアン・フェリックスが揃っており、今季リーグ戦の先発出場はわずか11試合。加入以降なかなかインパクトを残せなかったが、今季はハットトリックを挙げて輝きを見せた試合もあった。しかし、コンスタントに活躍するライバルたちと比較するとその評価は下がる一方だ。

 クラブは高額な投資の一部を償却する必要があるためなるべく彼を手放したくはないだろうが、より優れた選手の獲得のために、24歳のスペイン代表FWを現金化する決断をしても不思議ではないだろう。スペインメディア『ムンド・デポルティーボ』は、「シャビ(・エルナンデス監督)により良い後任選手が保証される」という特定のシナリオが展開された場合のみ同選手の売却が認められると報じている。バルセロナで成功したいという強い願望を常に示してきたF・トーレスだが、今夏にその挑戦は終わりを迎えるかもしれない。

6位:ラフィーニャ(ブラジル代表)
生年月日:1996年12月14日
推定年俸:1250万ユーロ(約17.5億円)
今季リーグ戦成績:25試合5ゴール9アシスト
 
 バルセロナで背番号11を身に付けるサイドアタッカーは、その評価を大きく変えつつある。

 2022年夏に当時リーズ(イングランド)でプレーしていたラフィーニャは、移籍金5800万ユーロ(約81億円)でバルセロナへ完全移籍。昨季は右ウィングを主戦場に、公式戦通算50試合に出場して10ゴール12アシストを記録した。

 今季も順風満帆な日々を過ごすかに思われていたが、開幕戦で大きな転機を迎える。第1節ヘタフェ戦の先発に名を連ねたラフィーニャだったが、42分にレッドカードで一発退場。このレッドカードによる出場停止期間中に「神童」ラミン・ヤマルがブレイクに成功し、ラフィーニャは16歳のカンテラーノ(下部組織出身選手)に右WGのポジションを奪われてしまった。
 
 このような状況を受けて、ラフィーニャはメディアやサポーターたちによって何度も放出候補に挙げられてしまった。クラブは財政問題のために多額の資金確保が必要であり、推定年俸1250万ユーロ(約17.5億円)の同選手が退団すれば経済的な負担が軽減される。

 しかし、ここに来て、彼の放出を望む声は少なくなった印象だ。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメントで鮮烈な活躍を見せ、その後も好調を維持してゴール・アシストを量産。左WGで定位置を掴み、直近の公式戦10試合で4ゴール4アシストを記録している。ラフィーニャ本人も、2ゴールをマークしたCLのパリ・サンジェルマン戦(1st Leg)後に行われたインタビューで「契約はあと数年残っているし、それを全うするつもりだ。バルセロナとの契約は夢だと何度も言っているし、何年もここにとどまるためにできる限りのことをするつもりだ」(スペインメディア『ムンド・デポルティーボ』)と話し、愛するクラブで戦い続ける覚悟を示している。

 ここ数週間のパフォーマンスをシーズン終了まで維持できれば、サイドから鋭いクロスを繰り出すラフィーニャの姿を来季もバルセロナで見れるかもしれない。

5位:ジョアン・カンセロ(ポルトガル代表)
生年月日:1994年5月27日
推定年俸:1250万ユーロ(約17.5億円)
今季リーグ戦成績:27試合2ゴール3アシスト

 名だたるビッグクラブを渡り歩くポルトガル代表DFが5位にランクインした。

 ジョアン・カンセロは、昨夏の移籍市場でマンチェスター・シティ(イングランド)からバルセロナへレンタル移籍。スペイン屈指の名門クラブは本職の右サイドバックが少ないため、両SBで起用できるカンセロに目を付けたようだ。昨季後半戦にバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)へレンタルされていたことからも分かるとおり、同選手はペップ・グアルディオラ監督の構想外だ。このためシティは放出に前向きだったが、バルセロナの慢性的な財政難が障壁となり、デッドラインデー(移籍市場最終日)でようやくレンタル移籍が決定した。

 ギリギリでバルセロナへ加入したカンセロは、高いサッカーIQを駆使してすぐにチームに適応した。今季はリーグ戦27試合に出場して2ゴール3アシストを記録している。バルセロナ加入後も守備に課題を残しているが、それ以上に抜群の攻撃性能を発揮。同選手の質の高いクロスやドリブル技術を活かすため、シャビ・エルナンデス監督はSBというよりはウィングバックのような位置を取らせている。

 その推定年俸は1250万ユーロ(約17.5億円)。同選手の給料の一部は保有元であるシティが負担する分もあると言われているが、いずれにしてもチーム上位の高給取りだ。それでも、スペインメディア『Relevo』は、クラブが同選手を来季の戦力として考えていることを報じている。

 クラブが財政難に悩まされている中でこのような高い評価を受けていることから、いかにバルセロナにとってカンセロが重要な選手であるかが分かるだろう。29歳のポルトガル人はカタルーニャに安住の地を見つけるかもしれない。

4位:ジュール・クンデ(フランス代表)
生年月日:1998年11月12日
推定年俸:1355万ユーロ(約19億円)
今季リーグ戦成績:30試合1ゴール2アシスト

 ジュール・クンデは、バルセロナのディフェンダーの中で最も高い給料を貰っている。彼の推定年俸は全体では4位となる1355万ユーロ(約19億円)だ。

 2022年夏にセビージャからの移籍で名門クラブの一員となったクンデは、すぐに主力に定着した。クロスや対人守備といったサイドバックとしての能力が高く、右サイドバックとしての起用がメインとなっている。

 しかし、本人はセンターバックとしてプレーすることに喜びを感じており、このポジションへのこだわりが理由で移籍が噂される時期も。バルセロナ2年目となる今季は、ロナルド・アラウホの負傷離脱もあってシーズン序盤はCBとしてプレーする試合が多かった。クンデにとっては理想的な状況だったはずだが、アラウホの復帰によって現在は右SBとしてピッチに立っている。

 そんなフランス代表DFに対して、バルセロナが他クラブからのオファーに耳を傾けているとしているとスペインメディア『FCBN』は報じている。選手へのサラリーはクラブの財政に大きな負荷をかけており、チーム4番目の高給取りであるクンデを放出すれば大きな利益を生むことが出来るからだ。

 加えて、同メディアは「オーバーブッキング」状態となっている守備陣から選手が退団することをクラブが望んでいること、カンテラーノ(下部組織出身選手)放出に消極的であることを伝えている。クンデに対してマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リバプールといったイングランドのクラブが興味を持っているという報道もあるため、良いオファーが届けば同選手がクラブを去るシナリオは現実となるだろう。25歳の若きディフェンダーは引く手数多なはずだ。

3位:イルカイ・ギュンドアン(ドイツ代表)
生年月日:1990年10月24日
推定年俸:1875万ユーロ(約26.3億円)
今季リーグ戦成績:32試合5ゴール7アシスト

 バルセロナの新加入選手であるイルカイ・ギュンドアンは、チーム3位の高額年俸で迎えられた。

 33歳のギュンドアンは、マンチェスター・シティ(イングランド)で長く活躍。昨季はシティで主将を務め、同クラブに「トレブル」(三冠)を置き土産にして、昨夏にバルセロナの一員になった。1875万ユーロ(約26.3億円)の年俸は決して安くないが、実績十分なミッドフィルダーをフリー移籍で獲得できたことを考慮に入れれば高額サラリーも納得だろう。

 バルセロナのユニフォームに袖を通したドイツ代表MFは、すぐにピッチ上で躍動し始める。今季はリーグ戦32試合に出場して5ゴール7アシストを記録。『The Athletic』によれば、今季欧州5大リーグに所属する選手の中で最も早くチャンスクリエイト数100回を記録したそうだ。

 シティ時代ほど神出鬼没にゴール前へ飛び出すシーンは見られなくなったが、豊富な運動量と安定したパフォーマンス、優れたコーチングでチームの核となる選手となった。今季のベスト補強と言って良いだろう。シャビ・エルナンデス監督も「彼がボールを持てばすべてが良くなる。私たちが良いプレーを出来ているのは、彼のような選手のおかげだ。正直に言って、彼との契約は天から与えられたもの。彼は最高の選手であり、そのプレーを見るのは本当に楽しい」(『The Athletic』)と最大限の賛辞を送っている。

 チームにはFWラミン・ヤマルやDFパウ・クバルシなど、成長著しい才能豊かな選手が在籍している。彼らにはギュンドアンの背中を見て、ワールドクラスのプレイヤーへと成長してもらいたい。その存在がクラブの財産だ。

2位:ロベルト・レヴァンドフスキ(ポーランド代表)
生年月日:1988年8月21日
推定年俸:2708万ユーロ(約37.9億円)
今季リーグ戦成績:30試合16ゴール8アシスト

 長年バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)でゴールを量産していたロベルト・レヴァンドフスキは、2022年の夏の移籍市場でバルセロナを新天地に選んだ。その実力は誰もが認めるところではあるものの、当初は年齢面が不安視され、同選手に4500万ユーロ(約6300万円)の移籍金と高額な年俸を支払うことに対して懐疑的な見方がされていた。

 それでもポーランド代表FWは移籍初年度からゴールネットを揺らしまくり、その疑念を払しょくすることに成功。23ゴールを挙げてリーグ得点王となり、クラブのリーグ優勝の立役者になった。2年目となる今季は、リーグ戦30試合に出場して16ゴール8アシストを記録。先日行われた第33節バレンシア戦ではハットトリックの大活躍を見せている。

 一方で、財政難を抱えるバルセロナにとって気がかりなのは、レヴァンドフスキとの現行契約では彼の年俸がシーズンを重ねるごとに上昇してしまうことだ。今夏に36歳となるベテラン選手に支払う給料が年々増えていくことは理想的ではない。スペインメディア『Football ESPANA』は、クラブがレヴァンドフスキに支払う給与による打撃を減らすことに熱心であると伝えている。今季終了後にバルセロナと稀代のストライカーはどのような決断を下すのだろうか。その去就に注目が集まる。

1位:フレンキー・デ・ヨング(オランダ代表)
生年月日:1997年5月12日
推定年俸:3750万ユーロ(約52.5億円)
今季リーグ戦成績:20試合2ゴール0アシスト

 バルセロナ年俸ランキング、堂々の1位に輝いたのはフレンキー・デ・ヨングだ。彼の高額な給料に関してはたびたび議論の的になるため、ご存じの方も多いだろう。デ・ヨングの年俸は、次点のロベルト・レヴァンドフスキ(推定年俸:2708万ユーロ)を大きく突き放す3750万ユーロ(約52.5億円)となっている。

 このような高額年俸となってしまった要因には、新型コロナウイルスの流行による「パンデミック」がある。

 バルセロナは2019年夏にアヤックス(オランダ)から8600万ユーロ(約120億円)の移籍金でデ・ヨングを獲得した。スペインメディア『マルカ』によれば、この時交わされた5年間の契約では同選手の固定給は1400万ユーロ(約19.6億円)に設定されていたと言う。

 しかし、パンデミックの影響を受けて、クラブはトップチームの選手たちの給料を一律12%減額。移籍初年度のデ・ヨングには1400万ユーロの代わりに1232万ユーロ(約17.2億円)が支払われた。さらにオランダ代表MFは翌2020年、契約を2026年まで延長する代わりにサラリーの支払いを延期することをクラブと合意。20/21シーズンと21/22シーズンの年俸を、それぞれ1400万ユーロから300万ユーロ(約4.2億円)と900万ユーロ(約12.6億円)に減額した。つまり、1600万ユーロ(約22.4億円)を手放すことになり、延期された分のサラリーは2026年の契約満了までに支払われることに。同選手の年俸がとてつもなく高いのは、この延期された支払いが年俸に加算されているからである(延期された支払い額等の情報は『マルカ』の記事による)。

 厳しい財政状況に苦しむバルセロナでは、高給取りであるデ・ヨングの放出が大きな負担軽減になると考えられている。しかしながら、クラブとの契約を2026年まで残す選手は残留を強く望んでおり、今夏の移籍市場で新天地を探す可能性は全くないとしている。