最近SNSで【熟年離婚】というワードを目にするようになりました。
子どもが成人したり、定年を迎えたことをきっかけに、第2の人生を生きるよう決意する人もいるようです。ですが、反対に、離婚に踏み切れないという人も……。
今回は、筆者の知人から聞いたお話をご紹介します。
モラハラ夫に苦しめられてきた
私は先日アラフィフを迎えた主婦です。
色々な人生経験を積み、ちょっとしたことなら驚かず冷静に対処できるようになりました。
それなりに楽しく年を重ねられたと思っていますが、1つだけ辛かったことも。
それは長年、夫からの【モラハラ言動】に苦しめられてきたことでした。
一度は離婚を考えるも……
夫は俗に言う、【昭和ノリ】が根強い人。
男尊女卑思考も酷く、交際していた頃から馬鹿にされるような発言を度々していました。
それでも、夫を尊敬する気持ちや素敵に感じていることも多かったので結婚することに。
しかし、それが長年苦しめられる地獄の始まりになろうとは……。
結婚してから、夫のモラハラは悪化。
「もっとご飯の品数を多くしろ!」
「ホコリが溜まってるぞ」
「シワ1つないよう洗濯しろ!」
時には怒鳴られ、手を出されることも。
友人たちからは口を揃えて離婚するよう勧められましたが、話そうと決意したときに娘を妊娠していることが発覚!
結局別れることなく、ズルズルと結婚生活が続いていったのです。
娘に申し訳ない気持ちでいっぱいだった
モラハラ夫からの罵詈雑言に耐える日々のなか、心の支えになっていたのが娘の存在でした。
娘は、夫とは正反対の優しく温厚な性格。
『娘の健やかな成長のために!』と私はそれまで以上に家事スキルを磨き、穏やかな家庭の雰囲気づくりに努めました。
しかし、夫のモラハラは止まるどころか、娘にも向くように。
最大限娘をかばいましたが、父からきつく当たられ泣く娘を何度も慰めていました。
離婚すればよかったのですが、自分の存在意義も馬鹿にされ、モラハラ夫からいつしか逃れられないようになり。
娘には悲しい思いをさせて、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
娘のおかげでようやく……
時は流れ、25歳になった娘は結婚。
入籍後、初めて2人で我が家を訪れ、結婚式を開くという話をしてくれました。
新婦の父として、バージンロードを歩くことを楽しみにしていた夫でしたが……。
「お父さんと歩くつもりはない」
「お父さんがずっと嫌いだった」
なんと娘が父とだけ、離縁宣言をしたのです!
これには夫も大激怒しましたが、優しい娘がこのとき初めて夫に大反抗。
さらに娘から
「お母さんはこれでいいの!?」
と私も離婚を勧められたのです!
さらに怒り狂う夫でしたが、これまでを振り返り、自然と『離婚しましょう』という言葉が私の口から漏れました。
それを聞いた途端、夫は意気消沈。
結局夫とはそのまま離婚し、娘の要望通り、結婚式は私だけ出ることに。
夫には少しかわいそうなことをしたかもしれませんが、自業自得ですよね。今は娘たちから勧められ、娘が住むマンションの隣の部屋を借りて、穏やかな第2の人生を謳歌しています。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい