資材の高騰などによりいま大幅な見直しを迫られているのが、福島県の“顔”とも言えるJR福島駅前の再開発。テナント誘致の難航がこれまで分かっていたが、5月1日は新たに当初計画していた形でのホテルの誘致を断念する方針が示された。

福島テレビ・松山理穂アナウンサー:「こちらにできる予定だったホテルの誘致がきょう断念されることが発表されました。人通りを見ても、平日ですが、まばらです」

再開発に向けた準備が進められている福島駅東口。県都の玄関口は、いまこれまで以上に“空洞化”が指摘されている。
盛岡から旅行で訪れた人は「イメージよりは何もないかなって感じですね。食べ物食べるところとかもっとあった方がいいのかな」と話し、街の人も「人口の流れというか、やっぱり買い物とか行くと仙台に行くとにぎやかでしょう。町の(パワーは)すごく低い、パワーはないです」「ちょっと寂しいような感じですね。なかなかテナントが入ってくれないのが残念ですね」と話した。

駅周辺の再開発の行方が注目される中…。5月1日開かれた福島市の市議会全員協議会。福島市と再開発組合は、再開発ビルにホテルを誘致する当初の計画を断念する考えを示した。
福島市の木幡市長は「大規模な民間投資を呼び込むだけの力、魅力が、福島駅前には乏しくなっていると痛感しています」と述べた。宿泊施設の稼働率の低さや、街なかの人口が大幅に減少していることなどが再開発を難しくさせている。

ホテルやショッピング施設など公共と民間を一体化させ、大規模な再開発を目指していた当初の“青写真”。
しかし、現在は大幅な規模縮小を迫られ…。テナント誘致が難航する「民間エリア」は飲食店が中心になる見通しだ。

全員協議会で、議員からは現在の計画に一定の評価が示されたが、厳しい声も…。
鈴木正実市議:「県都の顔、玄関口の施設としてふさわしいのかふさわしくないのか、それをどのようにとらえているのか」
斎藤正臣市議:「そこまで縮小しなくてはいけない根拠が、お金(予算)の部分から分からない」

再開発事業を進める組合は、オフィスの誘致を進めていきたいとしている。
福島駅東口地区市街地再開発組合の加藤眞司理事長は「事務所というか、オフィスというか、そういうのはいろいろと需要があるんですよ。ホテルを入れないと、断念して空き家になってしまうということではないんです」という。
再開発ビルは、当初の計画から2年以上遅れ、オープンは早くても2028年を予定している。