◇国内&欧州男子ツアー共催◇ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 3日目(27日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)◇曇り(観衆4205人)

左ドッグレッグの8番パー4は、左サイドに高い林がそびえる。左に曲げたらグリーンを狙えない。桂川有人は1Wの超低弾道フェードに“絶対に左には曲げない”という意思を込めた。狙い通りフェアウェイセンターに置き、しっかりパーで切り抜けた。高さを抑えれば飛距離をロスするはずだが「抑えても飛んでくれてるから、まあいいか…みたいな感じです」と笑った。

スタッツを見て目を丸くしたのは、4週前の国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」。4日間のドライビングディスタンス302.96ydは、幡地隆寛(303.09yd)に次ぐ2位だった。「河本力選手を入れたら3番目かな…」。決勝ラウンドで不在だった飛ばし屋の名前を挙げて謙遜しつつ、「自分でもちょっと驚きというか。何試合かやってずっと飛んでいるのかとか、それも期待、注目しながらやっていきたい」。昨季の通算290.22ydはラウンド数不足でランキング対象外だが、38位相当だった。劇的な変化といえる。

キャリー300ydを目標に掲げたオフの取り組みはバランスを意識したもの。目澤秀憲コーチとのメカニック的なセッション、日々のトレーニング…。「身体から、技術から、クラブから、全てがうまくそろって飛んでくれているのかな」。季節は違うものの、例年11月「三井住友VISA太平洋マスターズ」でプレーするコースだから、効果も実感しやすい。アイアンもひと番手は違って攻めることができている。

通算10アンダー8位。大混戦で首位とはわずか3打差だ。米下部コーンフェリーツアー挑戦を経て、日本で賞金王を目指すシーズン。「意識はあります。こういうチャンスをゲットしていくしかないので、頑張りたい」。身長167㎝と大きくない身体に秘めたパワーと大志。再び海外への扉を開く可能性が見えてきた。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)