◇国内男子◇中日クラウンズ 初日(2日)◇名古屋GC和合C(愛知)◇6557yd(パー70)◇晴れ(観衆4423人)

かわいくて、頼もしい後輩との再会ディナーは“お預け”になった。前週の日欧ツアー共催試合「ISPS HANDA選手権」。3月にDPワールドツアー初優勝を挙げ、凱旋出場した中島啓太の日体大時代の先輩・河本力は期間中、体調不良に苦しんでいた。

扁桃炎から40℃近い熱が出て、点滴を打った。連日、飲まず食わずの最悪のコンディション。101位で予選落ちに終わり、週末は早々に自宅へ。中島のプロ転向以降、ラウンド後の恒例だった焼肉店での夕食会は一度も実現しなかった。

「体のキレだけを考えて」このオフは体重を昨季から4kg近く減量。有酸素運動に短距離走のトレーニングを織り交ぜ、93kgでシーズンインした。それがさらに4kgも落ちて89kgになるとは想定外。「のどが痛くて、せきが止まらなくなってしまった。先週は無理やり出た感じでした。90kgないとちょっと不安…」と元気のない1週間を過ごした。

愛知県に入ってからは「今週は頑張って、焼肉ばかり食べて体重を戻そうと」必死だ。午前スタートの初日の前半は慌ただしかった。4バーディ、4ボギーでパーが1つだけ。15番(パー5)では2オンを狙った2打目が木の枝に引っかかったようで、ロストボールの処置からボギーを叩いた。

後半を3バーディ、ボギーなしで切り抜けて今季初のアンダーパー「67」をマーク。今週投入した新しいパター(オデッセイ AI-ONE JAILBIRD MINI DB)も真価を発揮し、アウトコースのスコアカードは穏やかだった。「冷静に最後までできたのは、ベテランのおふたりの雰囲気が常に一定で、そこにすごく良い影響を受けた」と同組の歴代優勝者でもある片山晋呉、近藤智弘にも感謝した。

尊敬できる後輩の海外ツアー初優勝は「めちゃくちゃうれしかった」。先週勝った桂川有人とは同じ目澤秀憲コーチに師事する間柄だ。実姉の河本結も予選会を通じて5月「全米女子オープン」の出場権を獲得し、きょうの国内女子ツアー「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」で8位発進と復調傾向を見せ続けている。後れを取ったままでいてイイはずがない。(愛知県東郷町/桂川洋一)