本日5月2日に開幕した国内メジャー初戦となるワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ。海外からはイ・イェウォン、キム・スジ、キム・ミンビョルの3名が参加している。その中の1人、イ・イェウォンの18ホールに帯同した。

正確なドライバーショットとパッティングで2位タイ発進!

イ・イェウォンって何者?

イ・イェウォンは、韓国籍で21歳の若手選手。8歳のときに両親のすすめでゴルフを始め、運動好きだったことからハマっていったという。18歳のときには「18歳現役女子高生プロ」として話題になり、昨年はKLPGA(韓国女子プロゴルフ)で韓国メジャー1勝を含む3勝を挙げて賞金ランキング1位に輝いたほか、KLPGA大賞、平均ストローク1位の3冠を達成している。今シーズンも、KLPGAのブルーキャニオンレディスチャンピオンシップに優勝しており、勢いに乗っている選手の1人と言えるだろう。憧れの選手はパク・インビ。

なお、本大会には2023年12月31日時点でのロレックスランキングが33位の資格で出場している。※上位50位までの選手に出場資格が与えられている。2024年4月29日時点では35位。

初日、イ・イェウォンのティーオフはINコース7時40分。同組にはメルセデスランキング4位の岩井千怜と今大会出場のためにアメリカから帰国した西村優菜。

出だしの10番ホール、同組の西村はティーショットを右のラフに入れたあと、3打目のバンカー越えのアプローチが寄らず、2パットのボギー。また岩井はセカンドショットが花道のいいライに止まったものの、3打目のアプローチで距離感を合わせられずに2パットでボギー。イ・イェウォンはセカンドで左のガードバンカーに入れ、パーセーブが危ぶまれたが、ピンまで約60cmの位置まで寄せてパー発進。いきなり彼女のショートゲームの上手さを目の当たりにすることとなった。

11番、12番はセオリー通りフェアウェイからパーオン、13番のパー3もティーショットでしっかりグリーンをとらえてパー。

14番のセカンドは砲台グリーンの奥に外し、下り傾斜のグリーンに寄せるのは難しいと思われたが、見事1歩の距離に寄せてパーセーブ。パー5の15番もパーオン、2パットのパー。

続く16番、ここで初めてボギーを打つ。セカンドで右のガードバンカーに入れたあと、パーパットをわずかにオーバーしてボギー。しかし彼女がすごいのはここからだった。17番(パー3)のティーショットを約3メートルの位置に乗せて、見事バーディでバウンスバック。

もちろんその後も崩れることはなく、18番からOUT3番までパー。4番、8番、9番でバーディを取りそのほかは全てパー。結果3アンダーの2位で初日を終えた。

帯同していた間にフェアウェイを外したのはわずかに3回(3番左ファーストカット、7番右ラフ、9番左ラフ)。パー3はすべてグリーンをとらえていた。

パーオンできなかったのは全部で6ホール、しかしそのうち「寄せワン」でパーを拾ったのは5ホール(うち2つは「砂イチ」)と、出だしのホールで感じた彼女のアプローチ力の高さは間違いないものだと感じる結果となった。

「多くの人にいいパフォーマンスを見せたい!」

プレー後のイ・イェウォンに話を聞いてみた。最終ホールでも約80ヤードのウェッジショットを完璧に寄せるなど、彼女のアプローチ技術はかなりのもの。距離感もよく、やはり自分でも得意だと思っているのか尋ねると「ウェッジショットは打ちやすいし、練習量をかなり重ねているので、ウェッジを持ったときは自信を持ってショットできる」と話すが、一番の武器は「ドライバーの正確度。平均飛距離は220メートル(約240ヤード)」とのことだった。

韓国の先輩プロたちのなかで日本ツアーの評判が良かったことから出場を決意したという彼女だが、初日を回ってみた感想は「セッティングが難しい」ということ。「ティーショットが真っすぐいく必要のあるホールが多かった。真っすぐ行けばいくほどバーディチャンスが訪れるという印象ですが、曲げるとすぐにボギーが見えてくる、それくらい難しいセッティングだと思った。いつもプレーするコースよりもグリーンのスピードが速く感じたので、パッティングの距離感をしっかり掴みながら対応していくことを意識していました」という。

明日以降も「今日と同じく難しいセッティングになってくると思いますが、1ホール1ホール一生懸命にやったらいい結果が出ると思っています。最後までベストを尽くしてなるべく多くの人にいいパフォーマンスを見せられるように頑張りたい」と意気込みも十分だ。

今後は7月にUSLPGAのアムンディ・エビアン選手権に挑戦する予定と、活躍の場を韓国内に留めず世界へ広げていくという。今大会はもちろん、今後の彼女に注目だ!

PHOTO/Tadashi Anezaki