北海道新幹線の札幌延伸は今週にも国などが、2030年度末の開業を断念し、あらためて開業時期の検討に入る見通しです。
 札幌をはじめ、沿線で進む開発への影響も予想されます。

 6日午前の札幌・中心部です。

今野瑞夕記者
「網走行きのバス停には、大きな荷物を持ったUターン客が天気が悪い中、バスを待っています」

 新幹線札幌延伸の再開発で去年9月末に、札幌駅のバスターミナルが閉鎖。
 以来、バスの乗り場が分散し利用者は、外での待ち時間が増えました。

都市間バスの利用者
「(屋外のバス乗り場は)雨や雪のときにつらいですよね。新バスターミナルが出来上がるのが遅くなると聞いたので、ちょっと残念」
「駅に直結していた方がいいかとは思うが、工事しているならしようがない」

 新しいバスターミナルは、旧エスタ跡地に新たに建設されるビルに設けられ、新幹線が札幌にやって来る2030年度末に合わせて開業する予定でした。

 しかし、羊蹄山のふもとを貫く羊蹄トンネルでは、巨大な岩の塊に阻まれておよそ2年間、工事がストップ。

 また、ラピダスの大型半導体工場の建設など大型工事の集中で、作業員の確保も難しくなっていて、工事期間が予定より3年から4年遅れている工区もあります。

 さらに、2030年のオリンピック誘致の事実上の断念で、工事を急ぐ名目もなくなりました。

 建設を進める鉄道・運輸機構は、今週にも2030年度末の開業は困難という見方を国土交通省に伝え、国土交通省は開業時期の延期を判断する見通しです。

 札幌では、これまで2030年度末の新幹線開業を見据えて、バスターミナルや商業施設を閉鎖して、計画を推し進めてきたため再開発への影響が心配されます。

秋元克広札幌市長(先月)
「仮にこのスケジュールが変更や先延ばしになるということであれば、大きな影響があると思う。そういった事実については説明をいただいた上で、地元として話しを聞いて声をあげていきたい」

 関係者によりますと、新たな開業の時期は示さない方針で、国は今後、有識者会議を開いて工事の進め方を検証し、少しでも工期が短くなる方法を検討するとしています。