自治体の職員などへの“威圧的な言動”が問題になっている長谷川岳・参議院議員に対し、北海道が国の予算成立時の御礼メールだけでなく、国会の人事の際の祝電も組織的に取りまとめていたことを公表しました。

 北海道が取りまとめていたのは、長谷川氏が去年10月、参議院の特別委員会の委員長に就任が決まった際の祝電対応です。
 東京事務所から事務所内の各部署に宛て、長谷川氏の就任情報を共有し、祝電を送る職員について取りまとめるメールを複数回送っていました。

 この取りまとめの結果、知事を含む6人の特別職と23人の部長級職員が長谷川氏に祝電を送っていました。
 費用は1通あたり604円で、知事は公費、それ以外の職員は私費でした。
 それまで北海道が長谷川氏以外の議員に対し、こうした祝電を取りまとめていたことはありませんでした。

 長谷川氏への特別な対応の理由については「それまでの長谷川議員とのやりとりで萎縮し、祝電を送るべきだと考えた幹部職員がいたため」と説明しています。
 メールでは、祝電を送る時間帯や配達台紙の形状についても指示されていた他、祝電を送ることを決めた職員のリストも共有されていました。

 北海道は「祝電を出すかどうかは、個人の判断だった」とする一方で「特定の議員への祝電を依頼したと取られるような対応は適切ではないことから、今後は取り止める」としています。

 長谷川氏と北海道をめぐっては、国の予算成立時などに下記のような対応をするよう、北海道が幹部などの職員に対し、組織的にメールをしていたことも明らかになっています。

◆国の予算成立時の北海道の対応

・「計画推進課」が各部署に御礼連絡するよう、何度もメール
・部長職は上空の機内でも、Wi‐Fiが使える場合は成立時に即
・Wi‐Fiが使えない場合は、空港到着時に即
・補正予算の成立時、政府予算案の閣議決定時も

◆副知事含む北海道幹部4人の出張

・昨年度で62回、費用は約518万円
・長谷川氏だけに会うためは15回、約110万円
・会議に出席するよう言われて行っても、本人不在ケースあり
・前日の夕方「明日の午前9時に来るように」の急な指示も
・今後、課長級以上の700〜800人も調査


 
 こうした御礼メールについて、長谷川氏は12日午前の取材で「何となくメールを送らなきゃとか、そういうことを含めて流れになったのであれば、それを私自身も変えていきますし、私自身もそれは求めてる話ではない」と話しています。

 さらに“威圧的言動”の指摘についても「表現方法に無自覚であったことを非常に恥じています。全面的に自分自身の表現方法を変え、変えてゆく」とし、議員辞職については「当然ながら、地域活動を全身全霊で、地域のために活動してまいります」と、その考えがないことを強調していました。