転勤や進学などで知らない土地に引っ越すと、衣替えの季節に頭を悩ませるのがクリーニング店選びです。チェーン店など、以前から利用していた店舗があれば継続すればいいのですが、駅を中心に複数店舗が軒を並べる都市部では、どこを選べばいいのか迷うこともあります。そこで、クリーニング店「ふくやクリーニング」2代目で、YouTubeチャンネル「洗濯のお兄さん/しゅんぺい」が人気の戒能駿平さんに詳しい話を伺いました。

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個人店とチェーン店、どちらがいいの?

 新年度に引っ越してきたばかりだと、意外に悩むのがクリーニング店選び。家から近いところや、ネット上の口コミなどを見て選ぶのが一般的です。近くにチェーン店や個人店など複数店舗がある場合、どこを選べばいいのか悩ましいものです。

「まず料金に関しては、近年は個人店もチェーン店もほぼ変わりません。一番の違いは『分業』であるかどうかということ。チェーン店の場合は預かる人、洗う人、干す人と分業制になっているケースがほとんどで、ときに優劣のばらつきが出てきてしまうのは仕方がないことです。一方で、個人店の場合はたいていが店で一貫して行っているので、ばらつきという点では少ないと思います」

 ただ、営業時間やサービスに関して、とくに都市部においては、遅くまで活動している利用者に合わせた営業時間を設定している店舗を多く見かけます。

「最近では、とくに都心部で利用者の生活パターンに合わせた営業時間になっているお店や、保管用のロッカーが使えるところもありますね。ご自身のライフスタイルやこだわりに合わせて店舗を選ぶのがベストだと思います」と戒能さんはいいます。

 地域の人に愛されている個人店でも、チェーン店でも、自分が店に行きやすい時間帯をまず考慮して選択肢を絞っていくのが良さそうです。

ネットで情報が得られないクリーニング店は「カウンターテクニック」で見極めも

 戒能さんいわく、クリーニング業界はとても古い業界で、ホームページ自体を持っていない店舗も多いのだとか。そのため、ネット上で口コミなどの情報を得られないこともあるといいます。

 気になったクリーニング店を見つけたものの判断に迷った場合は、実際に店舗に足を運び「カウンターテクニック」を使うことが有効だといいます。

「クリーニング店を選んだら、ただ何も言わずに衣服を出すわけではなく、その前に、受付で仕上がりのこだわりポイントを1つでもいいので伝えてみることをおすすめします。『カウンターテクニック』と呼んでいますが、たとえば『ちょっと襟を立ててほしい』とか『のりはちょっと多めがいい』などです。その際の対応で判断してみるのもいいと思います。もちろん、実際にクリーニングに出したら、こだわり部分が反映されているかどうかも確認して、次もまた依頼するかどうかの判断材料にするといいですよ」

 近年は衣類自体が進化してきており、それに合わせて見る目や洗濯技術をアップデートし続けることは容易ではないと語る戒能さん。ときには「カウンターテクニック」を駆使して、自分のライフスタイルにあったクリーニング店を賢く選びたいですね。

Hint-Pot編集部・出口 夏奈子