ねこの性格は“十猫十色”。ごはんの食べ方や遊び方にも個性が出ます。X(ツイッター)では、水を飲もうとするねこをとらえた動画が大きな話題に。飼い主さんが「普通に水を飲んでほしい」と思っても、ねこは器からそのまま水を飲むことができません。話題になった動画について、飼い主さんに詳しいお話を伺いました。

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水を不思議そうに眺めるねこ

 透明な器に入った水を覗き込むねこ。そのまま水を飲むかと思いきや、確かめるように手を伸ばして水をつけ、濡れた手をぺろぺろと舐めました。

 目の前に水が入っていることがわかっても、ねこは直接水を飲もうとしません。器に入った水の上で、不思議そうな表情を浮かべています。

「かわいいが、普通に水を飲んでほしい」とのコメントを添えて、その様子を収めた動画がXで投稿されると、1.5万件もの“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には「ヤバイ、エンドレスリピートできる」「うちのねこと同じ飲み方ですわ……w」「どうやって撮ったのかしら?」「反射して光る目がきれい!」「にゃんとも不思議でかわいい動画ですね」など、さまざまな声が寄せられています。

元保護ねこのうめ吉くんは旅館の看板ねこ

 かわいらしい姿を見せてくれたのは、元保護ねこで5月に1歳になった男の子「うめ吉」くんです。長野県下高井郡野沢温泉村にある「桐屋旅館」で、看板ねことして活躍しています。

 保護当初から人見知りすることなく、おっとりとしていて甘えん坊。飼い主さんやお客さんにたくさんかわいがられながらすくすく育ち、旅館にいる10匹の看板ねこの中で3番目に体が大きくなりました。

 そんなうめ吉くんは、現在一緒に看板ねことして活躍している「あんず」ちゃんと一緒に、飼い主さんの友人に保護されました。しかし、友人はお迎えすることができないとのことで、飼い主さんが引き取ることになったそう。

 引き取り当日、飼い主さんは用事が入り、代わりにお母さんが友人宅にうめ吉くんとあんずちゃんを迎えに行くことになりました。「うちではもう引き取れないからね!」と言いながら家を後にしたお母さんでしたが、2匹と対面して一転。「うめ吉とあんずが入った段ボールを抱えて帰ってきて、『かわいいのでもうどこにもやりたくない!』とメロメロでした」と、飼い主さんは振り返ります。

水が入っていた器はお客さんからのプレゼント

 うめ吉くんが旅館の“新入社員”になってからしばらく経ったある日、飼い主さんはお客さんから、足が付いたガラスの皿をプレゼントされました。

「ねこが水を飲むときに下から見られたらかわいいですよね」とお客さんが言っていたことから、飼い主さんは、いつか水を飲むねこの姿を下から撮影したいと思っていたそう。話題の動画は、その器を使ってうめ吉くんが水を飲もうとしたときに撮影されました。

「ほかの子も撮影しましたが、スマホが気になったようで、水を飲むどころではありませんでした。うめ吉はスマホには興味を持たず、また水の飲み方がかわいらしくておもしろかったです」

 愛嬌たっぷりで、お客さんも飼い主さんも癒やすうめ吉くん。これからもほかの看板ねこたちと一緒に、たくさんのお客さんを楽しませてほしいですね。

○取材協力:桐屋旅館 aka.ねこ宿(@kiriya_ryokan)さん

Hint-Pot編集部