レスリング女子50キロ級で五輪2連覇を目指す須崎優衣(キッツ)が16日、優勝したアジア選手権(キルギス・ビシケク)から成田空港に帰国。「五輪前最後の大会。この経験を絶対に生かします。3か月後笑顔でいられるかは自分次第だと思うので、しっかり自分と向き合って、必ずパリでは最高の金をとれるように、より一層頑張っていきたい」と気を引き締めた。

 胸には金メダルが光っていたが、満足はしなかった。今大会、初戦の準々決勝はコロナ禍で東京五輪は参加せず、対戦機会の少なかった北朝鮮選手。2―0から終盤に1点を返されたが、終了間際に2点を追加して逃げ切った。準決勝はベトナム選手に完勝したが、決勝は2―4とリードを許す展開。第1ピリオド終了間際に追い付き、第2ピリオドは4点を加え、巧みな守りで相手に反撃のチャンスを与えず勝ちきった。「悔しい試合内容、試合展開があり、悔しい気持ちの方が強いです」。

 須崎がパリ五輪で目指すのは、「完全優勝」だ。「この悔しい経験が、必ずパリ五輪に生かせると思います。それが生かせたら、最高の勝ち方で金メダルを獲得できると思う。この3か月、金メダルをとるためだけに生きていきたい」。女王は五輪2連覇以上の、大きな目標を掲げた。