◆JERA セ・リーグ 阪神2―0巨人(17日・甲子園)

 迷うことなく二塁ベースを蹴った。2回先頭、丸は伊藤将の初球139キロの直球を振り切った。ライナー性の打球が右中間を真っ二つに破ると、7日のDeNA戦(東京D)で痛めた右太もも裏の影響を感じさせない激走で三塁を陥れた。

 今季初の長打は、くしくも22年5月22日の同地での同カード、伊藤将から打って以来、696日ぶりの三塁打。「疲れました」と笑った35歳は「打球処理にちょっともたついている感じだったので。隙をつく走塁はチームとしてやっているわけだから、僕も当然しっかりとやらなきゃいけない」。チーム方針を体現したベテランの好走塁に、ベンチの阿部監督も驚いた表情で拍手を送った。

 伊藤将キラーだ。「6番・左翼」で先発。4回無死一塁の第2打席では139キロの直球を中前にはじき返して好機を広げると、6回先頭の第3打席でも10球粘った末に四球。3出塁と結果を出し、通算の対戦成績は29打数10安打、打率3割4分5厘まで上昇した。

 11日に35歳を迎えたが、ベスト体重の94キロをしっかり維持するなど、コンディションを保てている。「打席の内容的には良かったので、これを継続してできるようにしていきたい」。背番号8のエンジンがかかってきた。(井上 信太郎)