日本高野連18日、打球による投手の受傷事故防止などを目的に今春から完全移行された新基準の金属バットについて、安全性を示すSG基準(反発性能規定)適合バットを生産する14社のうち、5社が基準を満たしていないものを製造・販売していたことを明かした。

 高校野球用具は、その使用制限において「金属製バットは、『製造安全協会』のSGマークが付けられているものに限る」とされている。当該5社から委託製造していた株式会社SSプロダクトの製品も、2022年9月のSG認証手続き時にはこの規定を満たしていた。だが、23年7月、委託した中国の工場で量産体制に入った際に、仕様が異なる製品が作られ、結果として「不適合のSGマークが付いたバット」が3351本、市場に出回る事態となった。

 違反内容としては、反発性能に関する規定「打球部の圧縮試験を行ったとき、1ミリ変位させるときの力が6000N以上であること」を満たすためには本来、打球部の肉厚が4ミリ程度求められるが、不適合バットは3・5〜3・6ミリと薄く、5300〜5500Nしかなかった。全日本野球バット工業会からの情報提供で、約1週間前に発覚。該当する「XANAX」「三共スポーツ」「ハイゴールド」「イソノ」「ボルテカ」の5社は今後、自主回収を行う。

 また、高野連は、23年11月から全国の加盟校に約1万2000本を配布、または配布中で、そのうちの2510本が不適合のバットであると明かした。さらに、今春センバツでも5校が持ち込み、一部で使用されたいたことも確認されている。現在、行われている春季大会を含め、記録等が無効になることはないが、今後は練習を含めて使用を全面的に禁止。配布分に関しては、高野連が対応するとしている。