昨季のスピードスケートW杯で男子1000、1500メートルで3位に入った山田和哉(22)が23日、札幌市のIT企業「ウェルネット」に入社すると発表した。同社には昨年11月のW杯帯広大会で男子1000、1500メートルを制した兄・将矢(27)も所属している。

 北海道帯広市出身の山田和は将矢も同席した会見で、「兄と同じ会社させてもらうのはうれしい。ただ、比べられやすい対象になってしまうので、すごく身が引き締まる。結果を出さないといけないという気持ちがある」と話した。

 男子1000メートル日本記録保持者であり、昨季W杯で2勝を挙げた将矢も「地元・北海道の企業に所属して競技を続けられるのは本当に幸せなこと。支えてくれる全ての人たちに感謝し、兄弟で頑張っていきたい」と意気込んだ。

 和哉にとって兄は「常に輝いていた」という存在で、「兄という刺激があり、自分はここまでたどり着けた。スケートを続けるモチベーションになっているし、負けたくないという気持ちもなくはない」と力説した。

 高崎健康福祉大時代は、22年12月の全日本選手権で男子1500メートル初優勝。昨年11月のW杯第3戦ノルウェー・スタヴァンゲル大会では1000メートルと1500メートルでそれぞれ3位。同12月の全日本選手権では男子1500メートルで2連覇を果たすなど頭角をメキメキと表した。

 着実に進歩を示しており、「昨季は全日本選手権でもW杯でも残した。自分は自信を持てないタイプだったんですが、世界で戦っていけるんだと少し自信になった」と振り返る。

 大きな野望がある。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪について「五輪は小さい頃からの夢だし、兄弟そろって出られるようなチャンスはもうないかもしれない。次のオリンピックはすべてを懸けて兄弟そろってメダルを取りたい」と力強く宣言。兄弟同時五輪初出場とメダル獲得を誓った。