日本相撲協会は30日、大相撲・夏場所(5月12日初日、両国国技館)の新番付を発表した。新入幕を果たした東農大出身の時疾風(ときはやて、時津風)は都内の部屋で師匠の時津風親方(元幕内・土佐豊)と一緒に会見を開いた。

 東農大から角界の門を叩いて5年余り。「やっとここまで来たかという感じです。もっと早くという気持ちもありましたけど、下でたくさん経験することもできました」と振り返った。

 昨年の春場所で十両に昇進したが、夏場所は6勝9敗で負け越して幕下に陥落。そこで四股やすり足などの基礎運動を行って徹底的に下半身を鍛え直した。その結果、全勝で幕下優勝して一場所で十両に戻ることができた。「あの幕下での優勝が自信になりました。前に攻めて勝てる相撲が増えていきました」と胸を張った。

 宮城県栗原市出身。宮城県では五城楼(浜風親方)以来、27年ぶりの幕内力士誕生となった。「自分の相撲を見て、勇気をもらったり、元気になってくれたらいいと思います。子供たちが、相撲ってかっこよくて楽しいと思い、その後、時津風部屋に入ってくれたら最高じゃないですか」と笑った。

 4月8日には3年半の交際を経て長崎県出身の志織さん(26)と婚姻届を提出した。新入幕と同時に新生活をスタートさせた。「自分の一目惚れです。場所は九州場所でした。昨年のクリスマスイブに『結婚して下さい』とプロポーズしました。彼女は自分にはない芯の強さを持っています。幕下の時から支えてもらっています。気合いを入れて頑張らないといけない」と最後まで笑顔だった。