◆米大リーグ ダイヤモンドバックス―ドジャース(1日・米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が1日(日本時間2日・午前10時40分開始予定)の敵地・Dバックス戦でスタメンから名前が外れた。今季33試合目で初めて。ド軍移籍後初のベンチスタートとなった。

 本拠地ロサンゼルスからワシントンDC→トロント→アリゾナと続いた総移動距離約8000キロの敵地9連戦の最終戦。過酷な日程ということもあり、休養日とみられる。大谷の“指定席”の2番にはフリーマン、指名打者にはスミスが入り、3番で起用される。

 30日(同5月1日)の同戦では激レアな“アクシデント”に見舞われた。屋根が開閉式のチェースフィールドでは屋根を開けての試合の準備を進められていたが、バックネット最上部などに蜂が大量に飛来。“蜂の巣”のような密集状態となり、試合開始直前に遅延が決定。一部の観客が避難するなど大騒ぎだった。球場責任者が事態を把握したのは、当初の開始予定時刻の5分前。慌てて駆除業社に電話を入れたという。

 車で45分の距離を大急ぎで駆けつけたのが、害虫駆除会社勤務のマット・ヒルトンさん。現場に着くと、カートに乗ってバックネットまで移動。防護服を着てからクレーンで上昇し、蜂の大群を掃除機のような機械で吸い取った。クレーンで下降していく際には観客から大歓声を浴び、何度も左手でガッツポーズ。今季最速であろう「MVPコール」まで受け、始球式にも“緊急登板”するなどまるで映画のような展開だった。

 1時間55分遅れで開始となった試合では、大谷は初回に2試合連続安打となる中前打を放ったが、そこから3打席連続三振。1試合3三振は今季初だった。蜂による珍ディレイに集中力が切れてしまったのか、ブンブンブンとバットが空を切った。同点の延長10回無死一、二塁では元ヤクルトのマクガフから二ゴロ。期待された“ハチ号”はお預けで、ド軍も延長10回に今季初のサヨナラ負けという散々な一日だった。ロバーツ監督も「クレイジーな一日だった」とお疲れの様子だった。

 それでも、ここまで32試合で打率3割3分6厘、7本塁打、19打点。4月終了時点の7本塁打は44発で本塁打王に輝いた昨季と同じペースで、4月は自己最多タイとなる月間11度のマルチ安打も記録した。チェースフィールドでは過去7試合でノーアーチだが、本人も「そこ(監督超え)を目標に頑張ってるので」と意欲を見せている。この日も代打での出場機会があるかもしれない。最後まで目は離せない。

 この日のドジャースのスタメンは以下の通り。先発は山本由伸投手(25)。

1(遊)M・ベッツ

2(一)F・フリーマン

3(指)W・スミス

4(右)T・ヘルナンデス

5(三)E・ヘルナンデス

6(中)A・パヘス

7(二)M・ロハス

8(左)C・テイラー

9(捕)A・バーンズ

 (投)山本由伸