B1レバンガ北海道は1日、A東京戦(3、4日・北海きたえーる)に向け札幌市内で練習を公開した。今季限りでの現役引退を発表しているSG/SF桜井良太(41)は、現役最後の2連戦に臨む。「勝って終われるのが一番うれしい。いつも通りやった中でアルバルクを倒しに行きたい」と、勝利で19年(JBL時代を含む)の現役生活を締めくくる。

 ■今も左足首は骨折したまま

 集大成の時が刻一刻と迫ってきた。前身のレラカムイ時代から17シーズン、北海道でプレーを続けてきた桜井は「最後、勝って終わりたいという気持ちはある。それを前面にコートで出して、応援に来てくれるブースターのみなさんと一緒に喜んで終わりたい」と意気込みを口にした。

 昨年6月に今季限りでの引退を発表した。要因の一つは体の限界。近年はけがとの闘いが増え、今も左足首は骨折したままだ。試合前には痛み止めを飲むのが必須。満身創痍(そうい)の状態で「痛みも多少ありますし、それよりも機能的なものというか、可動域がなくなっている」と苦悩を明かす。それでも「(ダンクシュートを)したいですけどね、もう一回。逆足の右足でアップでトライしてみようかな」と悔いなく全力で2試合を戦うつもりだ。

 レバンガの「象徴」とも言える選手の花道を飾るべく、首脳陣は最終戦でサプライズを検討している。「(4日の)ゲームに関しては桜井が最後。僕は最初に出てほしい。勝ちに繋がるようなラインアップの中で、戦力として使っていきたい」と、小野寺龍太郎HC(42)。最終戦で1月27日信州戦以来のスタメン起用の可能性を示唆した。

 ■沸く景色好き「頑張りたい」

 泣いても笑ってもバスケットボール選手でいられるのは“古巣”A東京(当時はトヨタ自動車)との2戦のみ。4日は現時点ですでに6000人前後の観客が集まる見込みだ。「良いプレーをしたときに(会場が)沸く景色が好き。その景色を見られるように自分自身も頑張りたい」。全てはチームの勝利のために。北の鉄人は勝ってコートに別れを告げる。

(島山 知房)

 〇…チーム一丸で、桜井に有終の美を飾らせてみせる。東地区2位のA東京とは今季2戦2敗。いずれも20点以上の差をつけられて完敗している。主力選手のけがで万全の体制ではないが、PG寺園脩斗主将(29)は「(桜井は)北海道を代表する選手。良太さんを良い形で送り出してあげたいという気持ちが僕にはありますし、チームのみんなもある」と必勝を誓った。