◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第2日(3日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 今季米女子ツアーでネリー・コルダ(25)=米国=が、ツアー最多に並ぶ出場5戦連続優勝中と歴史的快進撃を演じて、女子ゴルフ界の注目を一身に集めている。身長178センチでトップモデルのような容姿を持ち、異次元の強さを見せて、米女子ツアーの人気も再燃気配だ。2021年東京五輪金メダリストでもある世界ランク1位の衝撃的な強さの秘密を今大会に出場する、パリ五輪日本代表候補4人に聞いた。第2回は西村優菜(23)=スターツ=。

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 日本ツアー5勝で昨年から米ツアーを主戦場とする西村は、世界ランク1位に君臨するコルダについて「(同組で)一緒に回ったことはないんですけど、全てが完璧という印象です」と印象を語った。

 今夏のパリで五輪連覇を狙うコルダは今年1月下旬から、米ツアー史上最多3人目となる出場5戦連続優勝の偉業を達成した。その強さに西村は「元々、(飛距離が)飛びますし、パターはもちろん、うまい。去年よりセカンド(ショット)がすごくいいんだろうなっていうふうには見ています。もちろん、全部うまくないと5連勝は無理なんですけど」と笑った。

 西村も2021年9月には住友生命レディス東海クラシック、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンと日本ツアーで2戦連続優勝を果たしており、勝ち続ける難しさは身をもって理解している。今季のコルダの圧倒的な強さに「今年は特に、セカンドショットの精度がすごくいいっていうので、まとまっているのかなと思って見ています」と分析。その言葉通り、今季のコルダのパーオン率は米ツアー1位の75・85%をマークしている。

 西村は今季米ツアー6戦に出場して全試合予選を突破。3月のHSBC女子世界選手権ではツアー自己最高に並ぶ3位に入った。世界ランクは日本勢13番手の77位。6月24日のランクをもとに決まるパリ五輪代表が決まる。「出たい気持ちはゼロではない」とかねてから話しており、今後の大会で優勝争いを繰り返すことが大事になる。

 今大会と同じ茨城GC東Cで開催された、21年のワールドレディスサロンパスカップでメジャー初優勝。3打差2位で出た最終日に6バーディー、1ボギーの67をマークして通算14アンダーで逆転Vを飾った。2000年度生まれの「ミレニアム世代」では初の国内メジャー制覇で3年シードを獲得し、米ツアー挑戦への足がかりをつかんだ。同じコースで開催された2015年大会を制し、米メジャー3勝を挙げた田仁智(韓国)も憧れの選手で、西村はその背中を追いかけている。「メジャーで勝ちたいと思ってアメリカに挑んでいるので、その夢はずっと追いかけたい」と世界一への挑戦を続けていく。

 ◆女子ゴルフのパリ五輪への道 6月24日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を得る。〈1〉同ランク15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含めて最大2人が出られる。大会は8月7日から4日間、フランス「ル・ゴルフナショナル」で72ホールストロークプレーの個人戦で争う。21年東京五輪は畑岡奈紗と稲見萌寧が出場し、稲見が日本ゴルフ界初の表彰台となる銀メダル、畑岡は9位だった。

 ◆ネリー・コルダ 1998年7月28日、米フロリダ州生まれ。25歳。16年にプロ転向し、18年のスウィンギングスカート台湾選手権で米ツアー初優勝。21年全米女子プロ選手権などメジャー2勝を含む通算13勝。21年東京五輪は姉とともに米国代表で出場して金メダル。22年に鎖骨下静脈の血栓の手術をし、4か月間戦線離脱した。178センチ。家族は両親と姉。