パリ五輪の登録人数は今大会の23人から18人に減る。さらに最大3枠のオーバーエージ(OA、24歳以上)を使用した場合は五輪世代は15枠のみ。18人制だった16年リオ五輪時(21年東京五輪はコロナ禍で22人に拡大)の振り分け人数をもとに、し烈なメンバー争いを担当の後藤亮太記者が「占う」。

 【GK】(リオ五輪2人)

 今大会の守護神として5試合に先発した小久保のメンバー入りは確実。同世代でA代表の鈴木彩艶(ざいおん、シントトロイデン)を招集できるか。

 【DF】(同6人)

 A代表のDF板倉滉(ボルシアMG)、谷口彰悟(アルラヤン)、町田浩樹(サンジロワーズ)らを軸にOAの打診をする方針。圧倒的な運動量で5試合にフル出場した大型右サイドバック(SB)の関根が入る可能性は高く、センターバックで潜在能力の高さを示した19歳の高井も評価を上げた。セットプレーで2得点を決めた木村、左SBの大畑、両サイドバックでプレー可能の内野貴、さらに1クラブの招集人数の上限で今回は選外だった日本代表経験のあるバングーナガンデ佳史扶(FC東京)も争いに入ってくる。

 【MF】(同7人)

 目玉の久保建英(Rソシエダード)を呼べるかが最大の焦点。両ウィングが3人の場合、山田楓、平河、佐藤、さらに今回は招集できなかった三戸舜介、斉藤光毅(ともにスパルタ)ら五輪世代でのサバイバルに。中盤は主将で今大会MVPの藤田を軸に山本、松木、荒木、招集できなかった鈴木唯人(ブレンビー)らが有力候補。OA候補の田中碧(デュッセルドルフ)がメンバー入りした場合は、3〜4人の争いはし烈になる。

 【FW】(同3人)

 この世代のエース細谷が軸。右ウィングも兼務できる藤尾らが候補だが、19歳の内野航、海外組の小田裕太郎(ハーツ)、福田師王(ボルシアMG)、国内組で好調な選手が抜てきされる可能性もある。

D組因縁“くせ者”ズラリ

 アジア1位となりスペインを擁するC組を避けたことで楽観論もあるが、D組には日本と因縁のある“くせ者”がずらりと居並ぶ。南米1位のパラグアイは、かつて日本代表が2010年南アフリカW杯のベスト16で敗れた相手。パリ五輪の南米予選では米インテル・マイアミでアルゼンチン代表FWメッシ(36)らとともにプレーするエースFWディエゴ・ゴメス(21)が、5ゴールで得点王(他2人)に輝いており、その決定力は要注意だ。

 マリは大岩ジャパンが今年3月22日の親善試合(サンガS)で対戦し、1―3と2024年初黒星を喫した相手。アフリカ特有の長い手足を生かしたボール奪取やドリブルへの対策は必須となる。またイスラエルは、今大会のダークホースと目されるチームだ。23年のU―20W杯では3位と躍進。MF松木らを擁したU―20日本代表は1次リーグで同組となり、第3戦で1―2と敗れ、グループ敗退が決まった。今回も同じ第3戦での対戦で、リベンジを果たすことができるか。