◆明治安田J1リーグ第12節 湘南2―1鳥栖(6日・レモンガススタジアム平塚)

 湘南が鳥栖を破り、10試合ぶりの白星で最下位を脱出し、J1残留圏内の17位に浮上した。FWルキアンが欠場したが、FW福田翔生とFW阿部浩之がそれぞれゴールを奪って勝利した。

 山口智監督は「なかなか勝てない試合が続く中で今日の試合に向けて自分たちの良さをもう一回見つめ直して、それを表現しようという話を選手と共有してきました」と試合に臨んだことを明かした。

 1点を追う前半25分にFW福田が3戦連発となる今季4点目を決めて同点に追いつくと、後半1分には左サイドのMF畑大雅が逆サイドに送ったボールをMF池田昌生が折り返し、後ろから走り込んだFW阿部浩之が勢いよく蹴り込んで勝ち越しゴールを奪った。

 結果を出した2トップについて指揮官は「今日は守備のところで2人から始めるというところをメインのタスクにやってもらいました。相手のボランチの選手が上手なので、センターバック、GKを含めた5人を見て欲しいというところと、(福田)翔生に関しては裏抜けの技術、変化を出してくれた。それがゴールにつながったと思う。苦手なところもあったと思うけれど、本当によくやってくれたと思う」と評価した。

 この日は前節まで全試合先発出場していたFWルキアンがベンチ外となった。理由について山口監督は「今日の試合はプレーできなかったということ。詳しいことは触れないですけれど、そんなに大きなものではないと僕自身は思っています。疲労もあったと思います。ずっと出ていたので。連戦ということもあったので、今日はメンバーから外しました」と説明した。

 ルキアン抜きと苦しい状況だったが勝ち切れたのはチームにとっても大きな自信となりそう。「それは大きいと思います。ルキアンはずっと出ていたので(スタンドで観戦し)悔しいと思います。いまはケガ人も多く出ていて総合力でやるしかないので、チームとしてはこの結果をいいきっかけにしないといけない。そういうゲームになったと思う」と苦境を全員で乗り切って手にした勝ち点3だった。

 同点ゴールを決めた福田も「すごく大きいと思います」とうれしそう。「勝てていなかったので、(鳥栖は)順位も近かったし何としても勝ちたかった。ルキアンがいない中でも俺たちがもっともってやって、火を付けようと思っていました」と今季ホーム初勝利に手応えをつかんだ様子だった。

 福田は3試合連続のゴール。「嗅覚、(ゴールへの)匂いも1点を決められて徐々に上がってきていると思う。もっともっとです」と貪欲だった。