大関・貴景勝(常盤山)が8日、大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)に出場する意向を示した。先場所は13日目に勝ち越しを決めカド番を脱出したが、翌14日目から「右大胸筋損傷、頸椎(けいつい)神経根症」のため途中休場。場所後の春巡業も全休していた。

 この日は、東京・板橋区の部屋で幕内・隆の勝(常盤山)と10番取って7勝3敗。頭から強く当たって押し込む場面もあるなど、復調してきている様子だった。貴景勝は「自分の中でできることはやってきた。始まったら気合、闘争心を持ってやっていくしかない」と前向きに話した。

 一方で、慢性的な首の痛みなどを抱えているだけに「15日間の勝負なので、蓄積されたダメージに気をつけながら。(場所中は)いかに次の日のパフォーマンスというか、リカバリーに気を使うかなので。オンとオフの切り替えをしっかりやっていきたい」と日々のケアの重要性を説いた。

 師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)も「もちろん出る方向でやっている」と明言。2日の横綱審議委員会の稽古総見で実戦稽古を再開してからは、部屋で隆の勝と稽古を重ねてきたという。同親方は「動きは良くなってきている。(痛めた胸の状態も)だいぶいいと思う。押し相撲は特に前半戦が大事。そこでいい波に乗ってくれれば」とスタートダッシュをキーポイントにあげた。