◆陸上 関東学生対校選手権第2日(10日、東京・国立競技場)

 男子2部5000メートル予選第1組が行われ、一昨年、昨年と2年連続で日本人トップの3位だった青学大の鶴川正也(4年)は13分54秒26の6位で悠々と12日の決勝に進出した。「6〜7割の力で走りました。予選通過は走る前から分かっていたので、決勝だけを考えています。留学生に食らいついて、今年こそは優勝したい」と意欲的に話した。

 鶴川は熊本・九州学院3年時に全国高校駅伝「花の1区」(10キロ)で区間賞を獲得するなど、世代トップレベルの選手として入学したが、これまで学生3大駅伝の出場は3年時の出雲駅伝6区8位だけ。青学大が大会新記録で2年ぶり7度目の優勝を飾った今年1月の第100回箱根駅伝でも16人の登録メンバーから外れた。今年の箱根駅伝3区で日本人歴代最高タイムで区間賞を獲得し、優勝に貢献した太田蒼生(4年)ら同期に比べ、鶴川は「今まで僕は期待外れに終わっている」と自身の置かれている状況を正面から受け止めている。それだけに4年目にかける思いは強い。

 新シーズン初戦の焼津みなとハーフマラソンでは大会運営サイドのミスでコースが短くなるというアクシデントがあったが、1時間2分49秒の参考記録で優勝。青学大の原晋監督(57)も「鶴川は今回の優勝で流れが変わるでしょう」と期待を込めて話した。

 関東インカレの2部5000メートルには4年連続の出場。1年時は16位に終わったが、2年時、3年時ともに日本人トップの3位と健闘した。ケニア人留学生に加え、日本高校歴代2位(13分28秒78)に自己ベストを持つ青学大のスーパールーキー折田壮太ら好選手が多く出場する決勝に向けて、鶴川は「留学生にも折田にも負けていられません」と堂々と話した。

 関東学生対校は1919年に第1回が行われ、今年が第103回。1920年に始まり、今年1月に第100回大会が行われた箱根駅伝より歴史は長い。例年5月に開催され、各種目1位8点、2位7点…8位1点が与えられ、対校戦で総得点を競う。男子は16校の1部、それ以外の2部、大学院生の3部に分けられる。1部の15、16位と2部の1、2位が翌年に入れ替わる。1部と2部は短距離などを含めた総合力で決まるため、青学大、駒大、国学院大など長距離をメインに強化している大学は2部に属している。女子はすべての学部生が1部、大学院生が2部で争い、入れ替えはない。