◆大学野球◇静岡学生野球 日大国際6―5静岡産業大 (12日、ちゅ〜るスタジアム清水

 日大国際が静岡産業大を6―5で下し、13勝1敗1分で2季連続28回目のリーグ優勝を飾った。6点リードで迎えた9回に4連打などで一挙5点を奪われたが、なんとか逃げ切った。日大国際は2018年以来、6年ぶり全日本大学選手権(6月10日開幕・神宮など)の切符をかけて25日に岐阜で行われる東海地区選手権に出場する。

 ドキドキが大きかった分、あふれる感情を抑えきれなかった。最後の打者を二ゴロに打ち取って優勝が決まると、日大国際の選手たちがマウンドに集結した。中堅手の篠田渉太主将(4年)が「スリーアウトを取って喜びが爆発しました」と、ナインの思いを代弁。何重にも輪となって高々と指を天に突き上げた。

 Vがかかった静岡産業大との直接対決。楽勝ムードが一転、最終回に追い上げられた。4連打や押し出しなどで6点リードがみるみる縮まった。最後も2死一塁で一発が出れば、サヨナラのシーンを作られた。そんな冷や冷やな状況でも捕手の青島佳大朗(4年)は慌てなかった。「ちょっとパニックになりそうだったけど、(投手に)丁寧に投げるように意識させた」。冷静なリードでチームを優勝に導いた。

 前節・東海大静岡の反省を忘れなかった。第1戦で1点リードの9回表2死満塁から逆転負けを食らった。あとストライクひとつから走者一掃となる二塁打を浴びた。青島は「あの試合で一球の怖さを知った」。東海戦ではカウント0―2から3球勝負で打たれたが、今回は最後の打者を同じ0―2から3球目にボールを挟み、4球目で打ち取った。

 昨年は最上級生のチームで、今年は経験者が少ない代だった。「技術より声を出すとか、野球以外のことをおろそかにしないように意識しました」と、篠田主将が語る。広島に育成1位で入団したエースの杉田健に代わる投手陣には大江立樹(4年)が台頭。7勝を挙げてチームを支えた。

 2018年以来の全日本選手権出場をかけて25日に三重、岐阜のVチームと争う東海地区選手権に臨む。打っては先制打を含む3安打2打点と活躍した4番の青島は「東海はレベルが高いので挑戦者の気持ちで戦いたい」と、気合を込める。6年ぶり全国切符を目指して岐阜に乗り込む。(塩沢 武士)

 〇…静岡産業大は開幕11連勝からの3連敗で3季ぶりVを逃した。最終回に一挙5点を奪ったものの、あと一歩及ばなかった。勝ってプレーオフに持ち込みたかった萩原輝久監督は「エンジンがかかるのが少し、遅かった。ただ、最後は下位打線が諦めずにつないでくれて感動した」と、驚異の粘りをたたえていた。