ドジャースは12日(日本時間13日)、ブルージェイズのキャバン・ビジオ内野手(29)をマイナー投手とのトレードで獲得したことを発表した。

 アストロズ一筋で通算3060安打をマークし、野球殿堂入りしたクレイグ・ビジオ氏(58)を父に持つビジオ。16年のドラフト5巡目(全体162位)でブルージェイズから指名を受けると、父と同じ二塁を主戦場にして19年にメジャーデビュー。1年目からいきなり100試合に出場して、16本塁打、48打点、打率2割3分4厘、14盗塁をマークした。

 だが、その後は内外野をそつなくこなす守備で一定の評価を受けながらも打撃で苦しみ、100試合以上に出場したのは、111試合出場の昨季だけ。2ケタ本塁打、2ケタ盗塁はなかった。今季は44試合に出場して2本塁打、9打点、打率2割、2盗塁。7日(日本時間8日)に事実上の戦力外となるDFAとなり、メジャーの試合出場の前提になる40人枠を外れていた。

 この日ドジャースに合流し、いきなり「9番・三塁」でスタメン入り。正三塁手のマンシーが右脇腹張りで負傷者リスト(IL)入りしており、代役としての活躍が期待される。ビジオは「とても特別なことで幸運だと思っている。2016年にドラフトで指名されてから、数日前までプレーしていたトロントを離れたことは言葉にできないほど感情があるが、ここで頑張ってやっていきたい。興奮している。マンシーが戻ってくるまで三塁を守って、それからはチームが必要なポジションをその時々でどこでも守ることになると言われているし、それをしっかりやっていくつもりだ」と言葉に力を込めた。

 大谷翔平投手(29)と同僚になることについても「彼が同じチームでよかった」と話し、「このロッカールームにいる全ての選手たちと一緒にプレーできることはとても特別なことで、自分はとても幸運だと思っている」と心を躍らせていた。

 ロバーツ監督は「彼とは面白いストーリーがあるんだ。何年も前、たぶん10年くらい前のことだが、ブルージェイズとサインしたばかりの若い彼と空港で会った時に『いつかドジャースに入るよ』と、私が言ったことを彼は覚えていたよ。あれからだいぶたったが、彼はダイヤモンドのどこでも守れる選手だ。現状はマックス(マンシー)が我々が思っていたよりもけがの回復に時間がかかっているので、三塁の守備をカバーしてもらう。そのあとは中堅、右翼、二塁など試合に応じて対応してもらおうと思っている」と期待を込めた。