◆米大リーグ ドジャース2―7ロイヤルズ(15日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・山本由伸投手(25)が15日(日本時間16日)、先発した本拠地・ロイヤルズ戦で、右上腕三頭筋の張りを訴えて2回28球、1安打無失点ながら緊急降板した。試合後には取材に応じ、「今週(右腕の張りを)多少感じていて、状態がすごくよくなったので、登板することになったんですけど、少し気になりながらの登板だったので、投げている中で少しずつ張りが強くなっているのが分かったので、早めにコーチ陣に言って交代させてもらいました」と説明。近日中に精密検査を受けることを明かし、ロバーツ監督は負傷者リスト(IL)入りの可能性が高いことを示唆した。

 山本は当初、中5日で13日(同14日)の本拠地・レンジャーズ戦で先発予定だったが、7日(同8日)の敵地・ヤンキース戦でメジャー移籍後最多となる106球を投げた疲労と、右腕の張りの影響で登板日が中7日に変更。前回登板のヤンキース戦では、メジャー移籍後最速の98・4マイル(約158・4キロ)を計測するなどジャッジら強力打線を前に7回無失点の好投を見せていたが、この日の最速は95・9マイル(約154・3キロ)と異変は明らかだった。

 近年、日本人投手にとって1年目は鬼門となっている。14年の田中将大(ヤンキース)は、7月8日の登板を最後に右肘の炎症のため離脱。復帰したのは9月21日だった。18年の大谷(エンゼルス)は、6月6日の登板を最後に右肘の内側側副靱帯(じんたい)の損傷のため投手としては離脱。9月に一度は復帰したが、10月に右肘トミー・ジョン手術を受けた。21年の有原(レンジャーズ)も5月に離脱して右肩の手術を受けた。

 メジャーではNPBとはボールやマウンドの硬さなどに微妙な差があるとされ、メジャーに挑戦して故障する投手も珍しくない。メジャー2年目の千賀(メッツ)も今季はここまで登板なし。松坂、藤川、ダルビッシュ、和田、前田らトミー・ジョン手術を受けて長期離脱となった投手も多い。

 山本がどれだけの期間離脱になるかは現時点で分からないが、軽症であることを祈るのみだ。