射水市加茂中部の下村加茂神社に伝わる県無形民俗文化財「やんさんま祭り(加茂祭)」は4日、神社境内で行われた。流鏑馬(やぶさめ)神事では、馬上の騎手が的を目掛けて矢を放ち、住民や観光客から歓声が上がった。

 祭りは馬で加茂地区を3往復する「走馬(そうめ)」で幕開けした。牛にまたがった武者姿の田の神が拝殿の屋根に矢を放ち豊作を祈る「牛乗式(うしのりしき)」などが順に営まれた。

 最後に行われた流鏑馬では、柴田大輔さん(27)、木原忍さん(41)、高島周さん(41)の騎手3人が弦の長さ約3・6メートルの大弓で勢いよく矢を放った。

 下村加茂神社は地震の影響で本殿や参道に被害があり、祭りの開催に影響がある箇所を急いで復旧した。野上克裕宮司は「重要な神事が無事に終わってほっとしている。復旧工事を進めて秋までに神社の基盤を固めていきたい」と話した。

 やんさんま祭りは平安時代の1066(治暦2)年から続くとされ、流鏑馬は鎌倉時代以前の武士の農耕儀礼様式を受け継ぐ。5日は裏祭りが営まれ、神社で獅子舞の奉納や端午の節句祭が行われる。