広島県福山市にある学生たちの“第3の居場所”となるSTUily(スタイリィ)プロジェクトが今年で2年を迎えました。STUilyは福山市内の飲食店や企業の協力で、空いている時間と場所を利活用して、中学生・高校生の自習や気軽に集える居場所として使えるスペースを街中に増やしていく活動をしています。
STUilyプロジェクトは「U24高校生大学生創業体験プログラムSta-sh(以下、Sta-sh)」で「高校生の居場所をまちの中に創りたい」というビジネスプランが提案されたことで発足しています。

STUilyの由来は「瀬戸内(STU)」+「家族(Family)」を合わせた造語。立ち上げた学生メンバーが中心となり飲食店や企業に提案・交渉をしてスペースを作っており、現在では市内に7店舗の協力店があります。
今回は福山シティFCの選手でもあり、一般社団法人ふくやま社中 STUilyプロジェクトマネージャーの隅田さんにお話を聞きました。

子どもたちにとって安心できる居場所を

ー第3の居場所「STUily」をつくろうと思ったきっかけを教えてください。

Sta-shから提案されたビジネスプランがはじまりになります。コロナ禍で「自習するスペースがなかなか確保できない」といった問題がありました。図書館だと間隔を空けて座らないといけないため、なかなか座るスペースを確保できなかったんです。
また、学校にも家にも居場所がない子どもたちにとっても安心できる居場所を提供したいという思いから第3の居場所をつくるプロジェクトが発足しました。
STUilyに登録している学生は現在110名程います。オープンして2年目を突入しましたが、やっと最近学生たちが定着してきたなと思います。

ーSTUilyではどのように利用している学生さんが多いですか?

当初は自習室という形で打ち出していましたが、現在はコミュニケーションの場として使う子が多いです。勉強だけでなくゲームをしている子も。店舗によっては自習向けではないところもあるため、場所によって用途を分けて利用している子が多いです。

ー実際に利用した学生からどのような声をもらいましたか?

学校を超えた繋がりが増えたことが学生たちにとって魅力に感じている部分のようです。大人や街、企業の方と繋がれるのは嬉しいという声も聞くことができました。

また、あるSTUilyメンバーのお母さんと話したとき、子どもが意欲的になったと喜んでくれたことが嬉しかったです。その子はもともと引きこもりがちだったのですが、活動を通して自ら企画を進めてくれて、変化を感じられたのはすごく良かったと思います。
他の学生からも「大人との関わり方がわかるようになった」という声も聞けて、学生たちが成長している姿を見ることができています。

2023年5月にSTUilyのメンバーが実行委員となり「第1回福山生徒会サミット」を開催。そこで「福山生徒会連合」が発足されました。福山生徒会連合では、学校の垣根を超えて各学校の生徒会がお互いに情報交換や親睦を深めあい、校内活動だけでなく校外活動もより充実させていくという目的で活動を行う団体です。

【note】高校生発案!「福山生徒会連合」発足

ー福山生徒連合ではどのような活動をしているのですか?

まだ発足したばかりのため、現在は仕組みや規約などを整えている最中です。年に1回生徒会サミットを行うので、そこに向けての準備や、三好雅章福山市教育委員長へ第1代福山生徒会連合総長である横田夕惺さんが訪問し、発足の経緯や今後の活動内容について報告を行っています。

ー今後、どのような活動をしていくのか教えてください。

学生たちの意見を大切にし、学生たちにとって居心地の良い居場所になればいいなと思っています。STUilyの登録メンバーで、サークル活動が活発になってきたため、そこがもっと盛んになれば良いなと思います。学生たちのサークル「mi-na-to」では、デニムの産地である福山市ならではのデニム部や、eスポーツ大会などを実施しています。

街や大人たちを巻き込んで福山を盛り上げていく学生たち。STUilyは現在3期学生運営メンバーを募集しています。今後も若い力で街に大きな価値を与えてくれることでしょう。

ほ・とせなNEWS編集部