北海道新幹線の札幌延伸について、工事主体の鉄道・運輸機構が予定していた2030年度末の開業を断念し、延期することを国に報告しました。

8日午後、鉄道・運輸機構の藤田理事長が斉藤国土交通大臣に、2030年度末の札幌延伸断念を報告しました。

鉄道・運輸機構 藤田耕三理事長)

「今後様々な工期短縮策を講じたとしても、その短縮効果はさらなる遅れの影響を一部軽減するものに留まるものと見込まれています。2030年度末の開業はきわめて困難という判断にいたった」。

札幌延伸をめぐっては、トンネル工事で巨大な岩が出て掘削が中断するなど、区間によっては最大4年の遅れが出ています。鉄道運輸機構は工事の遅れを挽回することはできず、数年の開業延期は避けられないと判断しました。

鉄道・運輸機構藤田耕三・理事長)

「次の開業時期の目標をお示しすることは技術的に困難で、あえていえば数年単位の遅れとご理解いただきたい」。

見直し後の開業時期は未定で、今後、国交省が有識者会議を開いて検討するということです。

札幌市民)

「早く開業してくれたらうれしいですが、工事なので、仕方ないところもあるのでやむをえないのでは」。

本吉智彦記者)

「札幌駅前の再開発により建て替えられるバスターミナル。完成までの間、仮設のバス停が設置されています」

バスターミナル建て替えにより一時的に札幌駅周辺の屋外に分散しているバス停。

札幌市民)

「寒いよね、せめてベンチもあったりしたらいいんだろうけれど」。

札幌市民)

「前の場合だと駅からのアクセスよかったので利用しやすかったので、ちょっとだけ不便」。

JR北海道は、新幹線の札幌延伸にあわせ、再開発ビルやバスターミナルは遅くとも2030年度末の完成を目指すとしていました。札幌延伸が後ろ倒しになることで、これらの完成時期も影響を受けるのでしょうか。

JR北海道・萩原国彦常務)

「これから国や(鉄道)運輸・機構からは発表があると伺っているので、内容を確認したうえで、コメントなり発言をしたい」。

2030年度末の札幌延伸の断念により今後、札幌のまちづくりに、どのような影響が出るのか。注目が集まります。