茨城県日立市内の中高生が企画運営、出演する「能登半島復興支援チャリティーコンサート」が27日、同市幸町の日立シビックセンター音楽ホールで開かれる。「被災地のために何か行動したい」という生徒たちの思いから輪が広がり、JR日立駅周辺の5校が協力。音楽を通して被災地に寄り添う気持ちを表現する。

出演するのは、県立日立一高、同日立二高、明秀学園日立高、市立駒王中の吹奏楽部と、明秀ダンス部。各校2〜3曲を演奏し、最後は学校の枠を超えて合唱を披露する。

運営には科学技術学園高日立(日専校)や日立一高サッカー部なども加わり、会場誘導を担う。各校教員らでつくる実行委が主催し、総勢約150人の中高生が参加する。

きっかけは1月、明秀の生徒が経験した支援活動だった。校内では生徒会を中心に支援物資の提供を呼びかけ、都内で開かれたバレーボール全日本高校選手権の際は、地震の影響で応援団が縮小した石川県代表の金沢商を、先に試合した明秀が友情応援する機会もあった。

その後、明秀の水本光樹教諭(36)が「関心を持ち続けることが大切。できる範囲で、被災地に寄り添う気持ちを形にしよう」と生徒らにチャリティー企画を提案。市社会福祉協議会の助言でコンサートを企画し、有志の生徒を中心に動き出した。

企画運営のメンバーらはこれまで、石川県珠洲市社協の職員からテレビ電話で現地の状況を聞いたり、校内外で当日のチラシを配ったりするなど準備を進めてきた。同校3年の宇佐美京佳さん(17)は「私たちも東日本大震災を経験した。少しでも能登の人の力になれば」と願う。

支援の輪を広げようと移動の負担が少ない近隣の学校に協力を呼びかけると、各校とも快諾してくれた。必要経費は地域の福祉事業に熱心な「常陽不動産」(日立市)が支援してくれることになった。

18日放課後には、日立一高の吹奏楽部が明秀の音楽室を訪れ、計約100人で初めて合同練習を実施した。生徒らは約1時間、ピアノの伴奏に合わせて合唱の曲目「アシタカとサン」を心を込めて歌い、本番に向けて調整した。

当日会場で行う募金活動は、日立二高JRC部が担当する。部員らはこれまで計4回、駅頭などで被災地への支援の必要性を訴えてきたといい、2年の小室陽菜さん(17)は「自分たちにできることをやり続けたい」と話す。

当日は午後5時半開演。入場料は1席500円で当日受け付け。募金と合わせた全額を日立市社協を通じて珠洲市に届ける。問い合わせは明秀日立高(電)0294(21)6328。