【松阪】松阪郷土文化会(吉田悦之会長、86人)はこのほど、会報第55号(B5判、113ページ)を発行した。論考16本を載せている。

 同会は明治33年創立の三重県史談会が母体。昭和36年に名称変更した。郷土の歴史を掘り起こし、調査研究の成果を年1回発行する会報で発表している。

 吉田会長は「拾うカミあり 伊勢反古(ほご)廻り」を執筆。「もとはゴミだったものが、今では時には国の重要文化財になったり、個人のお宅で、博物館の収蔵庫で、大切に保管されるものもある」として津、松阪、伊勢各市の事例を取り上げた。

 山城関係では、多気町勢和地区で発見した山城「『朝柄下出城と片野城』 戦いのための城、村人の城」と、大紀町打見の「西谷遺構『うちのこもり場』」を掲載。村人の避難所となる「こもり場」について探求している。

 他に宝塚一号墳の被葬者について考える「船形埴輪(はにわ)考」や、射和・相可商人の活躍を調べた「伊勢茶、出羽酒田・秋田への道」、連載「松阪周辺の参詣道Ⅱ」などがある。

 360部印刷し、会員と図書館などに150部寄贈し、残りを希望者に1部1000円(送料別)で販売する。申し込みは、はがきかメールで、〒515―0063松阪市大黒田町1850―5松阪郷土文化会事務局髙瀬孝二さん=taka―skh@mctv.ne.jp=へ。