“100均”ショップよりちょっとおしゃれなイメージの雑貨店「3COINS」(以下、スリコ)が、4月1日にスマートウォッチ「デバイスバンドplus」(デバイスバンドプラス)を発売しました。

 価格は3300円(税込み)で、3COINSというより“3BILLS”ですが、他のスマートバンドやスマートウォッチと比べ、低価格であることに変わりはありません。新機能も追加されたということなので、実際どれほど使えるのか検証していきます。

●計11種類の機能をプラス

 デバイスバンドplusは、通知やリモートシャッター、音楽再生などスマホを便利に利用する機能の他、歩数計やエクササイズの記録、心拍数計測などライフログとしても役立つ機能を搭載したグリーンハウス製のスマートウォッチです。IP68の防水防じん仕様なので、運動時の汗や突然の雨などでも不安なく使うことができます。

 対応スマホはiOS 11.0以降、Android 5.0以降で、Bluetooth 5.0で通信を行います。バッテリーは250mAh容量のリチウムポリマー充電池で、バッテリー駆動時間は5日から10日となっています。空の状態から約2時間で満充電になります。

 ディスプレイは1.83型、解像度240×284のやや縦長TFTを採用しています。晴天時でも輝度を最大にすることで視認性を上げられます。WearOSといった汎用(はんよう)OSではないので、Google Playなどからアプリはインストールできず、搭載されている以上のアプリを追加することもできません。

 それもあり、2023年発売の前モデルにオリジナルのウォッチフェイス作成、心拍数アラート、SNS通知のウォッチ内での削除、血中酸素濃度計測、表皮温度計測、計算機など合わせて11の新機能をプラスしたのはうれしいアップデートといえるでしょう。

 デザインは前モデルからほとんど変わっていないようです。

●開封してみた

 届きましたので、早速開封していきます。

●専用アプリ「GH Smart」にデバイスバンドplusを連携

 デバイスバンドplusは、単体では時計としても使えないので、アプリ連携必須です。使う前に必ずスマホに専用アプリ「GH Smart」をインストールし、連携させておきましょう。

 前モデルでは用意された47種類のウォッチフェイスをその日の気分で変えられましたが、デバイスバンドplusでは手持ちの写真をアップして好みのウォッチフェイスを作る機能がさらに追加されました。

 なお、「お気に入り設定」に保存しておけるオリジナルウォッチフェイスは1つだけ。別の写真をアップしたら、それまでのものは破棄されてしまうので注意しましょう。また、ウォッチフェイスの変更には1分20秒前後の時間がかかります。余裕のあるときに行いたいものです。

 アプリを使えば、ウォッチフェイスの変更の他、アラームや座りすぎ防止などのリマインダーの設定、12時間制/24時間制や手首を傾けて表示をオンにするなどの表示設定、スマートウォッチの探索、心拍数や血中酸素濃度、表皮温度などを常時計測するかどうか設定する計測設定、どの通知を受け取るかの通知設定などを行えます。

 また、歩数や消費カロリーの目標値も設定できます。達成しにくいような高い目標値だとモチベーションが上がらないので、現実的な数値を設定しておくと良いでしょう。

 アプリと連携させれば、日々のライフログを振り返ることもできます。

●自動的に取れない睡眠データにやきもき

 デバイスバンドplusの検証中は、Mobvoi「TicWatch Pro 5」を別の手首に巻いて同時に記録を取っていました。右手首、左手首の違いがあるかもしれませんが、歩数、心拍数、血中酸素濃度の値にかなり違いがあると感じました。

 もっとも、どのスマートウォッチでもばらつきは見られます。しかも血中酸素濃度や心拍数に関しては、医療機器ではなく、単なる目安にすぎないのでそれほど気にする必要はないでしょう。

 検証で困ったのが、睡眠データの自動取得が不安定なことでした。就寝前の居眠りまで計測してほしいわけではありませんが、床に就いてしっかり眠っているのに全く記録されていない、あるいはいったん覚醒した後から記録を開始するということがありました。

 この問題についてはレビューでも幾度となく取り上げられており、メーカー側は、「睡眠時間計測時間帯(午後8時から午前10時の間)にアプリとデータ同期」しないようにすることで解決できると回答しています。アプリ内ではなく本体を確認しても記録が残っていないので、デバイスの問題だと思うのですが。

 デバイスバンドplusで追加された機能の1つ「バイブレーションでの通知」も、少しもやもやするものでした。というのも、メール通知時の振動時間が非常に長いからです。震えるたびに「何か悪いことしたかな?」「電話かな?」と、不安にさせられてしまったからです。

 優れていると感じたのは、バッテリーもちの良さです。輝度を30%程度にしつつ、心拍計測、血中酸素濃度計測、表皮温度計測は常時オン、通知時のバイブレーションもオンにした状態で46時間、つまりほぼ2日経過しても5%しか消費していなかったのです。

 メーカーでは、5日〜10日の電池もちとしていますが、使い方次第ではもっと長く使えそうです。毎週日曜日に充電する、0の付く日に充電するなどの運用ができるのではないでしょうか。

 センサー精度に課題があるものの、スマートウォッチのみならず、スマートバンドでもなかなか見かけない3300円という価格でここまでできるのは、純粋に「すごい時代になったものだ」という印象を受けました。「スマートウォッチを身に着けたことがないけれど試したい」というスマートウォッチ初心者や、「精度は求めない。なんとなく歩数や心拍数をカウントできていればOK」という人であれば、良い買い物になるかもしれません。