米Google傘下のYouTubeは3月18日(現地時間)、クリエイターに対し、生成AIで編集あるいは生成したリアルな動画にラベルを付けることを同日から義務付けると発表した。クリエイタースタジオに新ツールが追加された。

 昨年11月の予告通り、ラベルはプレーヤーの前面に表示され、展開すると詳細も表示する。

 生成AIを使ったらすべての動画にラベルを付ける必要があるわけではなく、以下のようなケースが対象だ。

・実在の人物の肖像を利用する:顔を置き換えたり、声を合成して実在の人物に発言させる

・実際の出来事や場所の改変:本物のビルが火災になったかのように見せるなど

・リアルなシーンの生成:町に竜巻が襲ってくるシーンなど

 スクリプトやコンテンツのアイデア、キャプションの生成に生成AIを使う場合は開示の必要はない。また、あまりにも非現実的な動画の場合は開示の必要はない。例えば、幻想的な世界をユニコーンに乗って進む人物などは開示不要。また、色調整や背景ぼかしなどの効果についても開示は不要だ。詳細はヘルプセンターを参照されたい。

 将来的には、開示しないクリエイターに対する強制措置も検討する予定という。特にYouTubeが危険と判断した場合、YouTubeが動画にラベルを追加することもある。また、クリエイターがこの情報をいつまでも開示しない場合、コンテンツの削除やYouTubeパートナープログラムへの参加停止など、YouTubeによるペナルティが科されることがある。

 YouTubeは「この透明性の向上により、AIが人間の創造性を強化し続ける方法を私たち全員がより深く理解できるようになることを願っている」としている。