「みんなのGOLF」などで知られるクラップハンズ(横浜市)が、Meta Questシリーズ向けのVRゲーム「アルティメット スイング ゴルフ」を発表した。同日からMeta Storeで予約を受け付け、5月17日に配信を始める。価格は2990円(税込み)。

 発売に先がけ、Meta Questは4月12日から27日にかけてファッションスポーツブランド「Lacoste」とコラボレーションしたポップアップイベント「世界最小のゴルフ場」を「Lacoste Harajuku」(渋谷区)にオープンした。

 初日に行われた報道陣向けの発表会では、クラップハンズの八木宏之氏(プロモーションディレクター)や、Metaのピエール・キャン氏(Reality Labs 日本マーケティング統括)が登壇し、アルティメット スイング ゴルフの魅力やMeta Questとスポーツタイトルの相性の良さを紹介した。

●よりリアルなゴルフを求めて行き着いたVRプラットフォーム

 アルティメット スイング ゴルフは、18ホール1ラウンドのコースを5つ、キャディは4キャラクター、その他にコスチュームやコスチャームカラーを選べる、リアル寄りのVRゴルフゲームだ。対応機種はMeta Quest 2/3/Proのみ。

 ミッションクリア形式の「チャレンジ」、通常のストローク形式でスコアの更新を目指す「フリープレイ」、1人でじっくり練習する「トレーニング」、フレンドや世界中のプレイヤー最大4人でラウンドする「オンライン対戦」の4つのモードを備え、ゴルフ経験者をはじめ、初心者や未経験者でも気軽に楽しめるような工夫を施しているのが特徴だ。

 オンライン対戦ではボイスチャットの他、文字入力なしにボタンを押すだけでコミュニケーションできる「定型文チャット」、拍手や応援といったモーションを使える。定型文チャットではそれぞれ相手の国の言語を表示し、言語の壁を超えたコミュニケーションもできるという。

 さらに、Meta Quest 3のMR機能を生かした「MRプレイ」では、部屋の中でパットゴルフを楽しめる。

 良いショットやパットができるとプレイヤーは経験値を獲得できる。その経験値に応じてアバターの基本性能の向上、キャディのボイスパターンやコスチュームの増加などを楽しめるのも、本作の魅力となっている。

 25年以上にわたりゴルフゲームを開発してきたクラップハンズの八木氏は「どこまでリアルなゴルフに近づけられるのかという究極のテーマに基づいて開発を続け、ついにMeta Questの中に、限りなくリアルなゴルフに近い体験ができることを見いだせた」と話した。

 さらにリアルなゴルフより優れている点として「天候や時間を気にせずコースを回れること」「世界中のプレイヤーと対戦できること」を挙げた。リアルで集まることが難しくても、これならゴルフ仲間との親交が深まりそうだ。

●Questで人気の高いスポーツコンテンツ

 Metaのピエール・キャン氏は、Meta Questで楽しめる500以上のコンテンツでも、スポーツ型コンテンツの人気が高いことに言及しながら、以下の3つの魅力について説明した。

いつでもどこでも自宅にいながら世界中の人とプレイ

 マルチプレイモードでのオンライン対戦が可能。自宅から世界中の同じコンテンツを楽しむ人と対戦できる。

ケーブルがないので思う存分動ける

 ゲームとはいえ、体を動かせるのがスポーツ型コンテンツの妙味だ。PCやゲーム機と接続する必要がないので、思う存分体を動かしてもケーブルが絡まらない。

運動の記録を管理“Move”

 スマホの「Meta Quest」アプリ内にある「Move」と連携させることで、心拍数やカロリーなどをモニタリングでき、運動を取ることができる。

 「メタクエストのスポーツコンテンツには、ゴルフをはじめ、卓球、テニス、ボクシング、ボーリングなどさまざまな種類のものがある。リアルでトレーニングを積んだ人には本格的なタイトルを、全くの初心者も気軽にプレイできるものがそろっているので、ぜひ楽しんでほしい」(キャン氏)

●ゴルフ経験者も夢中になるリアルさ

 発表会では、YouTubeチャンネル「みちょぱ吉村のマブマブTV」でゴルフプレイを披露している平成ノブシコブシの吉村崇さん、ファッションモデル 池田美優(みちょぱ)さんが登場し、実際にMeta Quest 3を装着してアルティメット スイング ゴルフをプレイした。

 ゴルフ歴8年の吉村さんとゴルフ歴2年のみちょぱさんは、どちらもVR空間に広がるゴルフ場の景色に感動し、イベント中であることを忘れたかのようにゲームに夢中になっていた。

 体験後、吉村さんは「予想以上に自分の動きに対して画像内のアバターがラグなしに追随するので楽しかった。Meta Questは持ち歩けるサイズなので、泊まりのロケに持って行って、みんなでプレイするのもいいかもしれない。初心者にも優しいと感じた」と感想を語った。

 みちょぱさんも「今までのゴルフゲームの中で最もリアルで、最も難しかった(通常のゲームは得意なため)。自宅で練習するのにも役立ちそうだし、なかなか都合がつかなくて一緒にラウンドするのが難しい人ともオンラインで対戦したい」と話し、短い時間で決着がつかなかったこともあり、吉村さんとお互いに闘志を燃やしながら語り合った。

●ゴルフ未経験者が体験してみた

 発表会の後、プレス先行体験会も開催された。1人15分という枠の中で、未経験者である筆者も体験する機会を得た。

 前述のアバター選択などの他、右利き、左利きの設定も行える。右利きの場合は、右手用コントローラーを、左利きの場合は左手用コントローラーを持ってプレイする。

 基本的に、スイングしてボールを打ち、トリガーボタンを押してボールの位置まで移動、そしてまたスイング──という流れだ。ボールとプレイヤーの距離が近すぎる、あるいは離れすぎてしまうということも時折生じる。そのような場合は、コントローラーのMetaボタンを長押しするとリセットされる。リアルでは、ゴルフクラブとボールの位置をうまくつかめない初心者でも、空振りを防げる仕組みだ。

 1ホールに対する規定打数に対し、+3(6打)でボールをカップに沈め、コントロール力のなさを痛感したが、周りに迷惑を掛けず、1人でプレイするのであれば間違いなく「楽しい」と感じた。

 ポップアップイベント「世界最小のゴルフ場 by Meta Quest」への参加は10歳以上が対象になっており、参加費は無料。場所はLacoste Harajuku(ラコステ原宿店)の1階で、期間中は午後0時〜午後8時にオープンしている。予約不要だが、プレイ中の人がいる場合は待つ場合がある。その際、受付担当者に「アルティメット スイング ゴルフの体験をしに来た」と伝えれば、順番に案内してもらえるという。

 体験者はLacosteとコラボしたオリジナルステッカーがもれなくもらえる他、同イベント限定のキャディのコスチューム、ゴルフ場内のフラッグなどを楽しめる。

 さらに体験者限定にはなるが、イベント会場でMeta Quest JapanとLacoste JapanのX(旧Twitter)アカウントをフォローした人の中から抽選でMeta Quest 3ならびにオリジナルロゴ付きLacosteポロシャツをセットにしてプレゼントするキャンペーンも実施している。

 Meta Questにとってファッションブランドとのコラボが初めてだというキャン氏。Lacosteコラボパートナーに選んだ理由は、「Lacosteならではの、ファッションとスポーツに深い関心を持つ若年層にリーチしたいから」とのこと。

 「Meta Questをかぶるだけで実現する2×2mの世界最小のゴルフ場をぜひ楽しんでほしい。Meta Questがあれば自宅をスポーツ競技場に変えることができる。アルティメット スイング ゴルフなど、Meta Questでスポーツにチャレンジして自宅で汗を流してみてほしい」(キャン氏)