日産は2024年3月28日、高級ミニバン「エルグランド」を一部改良しました。従来より設定される2列シート・4人乗り仕様「VIP」も継続されますが、その超豪華仕様“VIP”に対し多くの反響の声が寄せられています。

めちゃ豪華! 新型「エルグランドVIP」に興味津々!

 2024年3月28日、日産は高級ミニバン「エルグランド」の新たな一部改良モデルを発表しました。
 
 日産モータースポーツ&カスタマイズが手掛ける2列シート・4人乗り仕様「VIP」も継続されることが明らかになりましたが、この「超豪華仕様」に対し興味を示す声が、早くもSNSなどに集まっています。

 初代エルグランドの登場は1997年。高級感を前面に打ち出した堂々としたスタイリングや豪華な内装などで、デビュー早々に支持を集めました。

 現行モデルは3代目で、2010年8月にデビューしました。

 歴代エルグランド同様の堂々としたスタイリングはそのままに、低重心の新プラットフォームにより優れた乗り心地と快適性、そして高い直進性や操縦安定性を確保しました。

 パワートレインは、最高出力170ps、最大トルク245Nmを発揮する2.5リッター直列4気筒エンジンと、最高出力280ps、最大トルク344Nmの高性能版、3.5リッターV型6気筒エンジンの2タイプを用意し、トランスミッションはエクストロニックCVT-M6(自動無段変速機)で共通です。

 この2.5リッターと3.5リッターのエンジンラインナップは2024年現在も変更されず、継続採用されています。

 一方でこれまで、エルグランドの大きな特徴である堂々としたスタイリングに対しては、主にフロントマスクのデザインを大きく変更するマイナーチェンジを2014年1月と2020年10月に実施し、イメージチェンジを図りました。

 また2020年10月の改良時には、室内のセンターディスプレイも10インチに拡大したほか、ADAS(先進運転支援機能)についても多くの安全機能を標準化しています。

 今回実施された一部仕様変更では、「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」と「ディスプレイ付自動防眩式ルームミラー」が全車標準装備化され、安全性をさらに高めました。

 そんな高級ミニバンを象徴するフラッグシップモデルが、現行型デビュー当初から設定されているエグゼクティブ向けの特別仕様車「エルグランド VIP」です。

 エルグランド VIPは「エグゼクティブのための走る執務室」をコンセプトにつくられた特別仕様車。

 日産モータースポーツ&カスタマイズ(旧・オーテックジャパン)が手がけるカスタムモデルで、通常モデルの3列シート仕様も設定されますが、注目は後席を大型の2人がけパワーシートにした贅沢な2列シート・4人乗り仕様です。

 ギャザーを施した本革シート(シート地は白と黒から選択可能)や後席の読書灯、100V電源、ツインサンルーフなどを装備した、文字通りVIP向けの超贅沢仕様となっています。

 今回の一部改良を施した新型エルグランド VIPの価格(消費税込み)は、3列仕様車が636万7900円から、2列仕様車は、807万8400円からです。

 昨年2023年3月31日には、この「VIP」(一部改良前のモデル)をベースとした特別仕様「エルグランド VIP 移動会議室」が日産の内田誠CEOに納車されています。

 日産は2021年5月に、クルマで移動中にウェブ会議が快適にできる「移動会議室」の実証実験を開始しており、この際に使用された試験車両のエルグランド VIP 2列仕様車と同等の仕様とみられます。

 後席の正面には32インチの大画面ディスプレイや、ウェブ会議用のカメラ、スピーカー、マイクなどを設置し、5Gの通信回線を車載するほか、前席と後席の間には遮音壁を備え、秘匿性の高い会議にも対応していました。

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 日産のトップも愛用するエルグランド VIPに対し、SNSでは多くの反響が寄せられています。

 多かったのは「これぞエルグラ!」「豪華だなあ」「一度は乗ってみたい」といった羨望の声でした。

 一方で「デビューから15年近い」「そろそろフルモデルチェンジして欲しいな」「アルファードにアッと言わせて欲しい」といった、全面刷新を望む意見も多く見られます。

 日産は2024年3月25日、新たな経営計画「The Arc」を発表し、2024年度から2026年度にかけおよそ3年間で30車種の新型車投入や、電動化の推進などについて明らかにしましたが、そのなかには「次期型エルグランド」を想起させるラージミニバンの姿も含まれていました。

 4代目となる次期型エルグランドの一日も早い登場を楽しみに待ちたいところです。