女優の生見愛瑠が主演を務める連続ドラマ「くるり〜誰が私と恋をした?〜」(TBS系、火曜午後10時)で、自らをヒロインの「運命の相手」だと語る板垣律役で出演中の宮世琉弥。ある事故で記憶喪失になった緒方まこと(生見)が、手元に残された男性用の指輪を手掛かりに「恋の相手」と「本当の自分」を探していくラブコメミステリーで、瀬戸康史、神尾楓珠とともにまことの前に現れる男性を好演してドラマファンの注目を集めている。

律は、まことと運命的な出会いを果たす年下男子。アプリ制作会社のCEOを務めているが、その素性は謎に包まれている。記憶を失ったまことに惹かれて猛烈にアタックを繰り返し、16日に放送された第2話では、再就職に手こずるまことに「自分の人生を幸せにするのが仕事」と説いて自身の会社に誘う一方、まことや、彼女の元カレだという西公太郎(瀬戸)に関する身辺調査を実施。まことの動向を報告させていた彼女の元同僚に「本当はそういう馬鹿なことはしない人なんだけどな」とつぶやき、まるでまことの過去を知っているかのような言動を繰り返した。SNSには、「ねぇ、本当律くん何者?!」「律の怪しさ尋常じゃない」などの声が続々と寄せられている。そんな律を好演する宮世にオンラインインタビューを行い、役作りの話や共演者とのエピソード、オフのリラックス法などについて話を聞いた。

火曜ドラマ「くるり〜誰が私と恋をした?〜」これまでの流れ

24歳のまことは、プライベートでも会社でも人に嫌われないよう、自分の素を見せず控えめに生きてきたが、ある事故に遭い、自身にまつわるすべての記憶を失った。手元には見覚えのない男性用の指輪が残されていたが、誰に贈ろうとしていたのか思い出せなかった。誰からも連絡がなく寂しさを感じていたまことの前に、飲料会社の同期で「唯一の男友達」だと語る朝日結生(神尾)と、フラワーショップを営む公太郎が現れた。記憶を取り戻す手掛かりが欲しいまことが2人に指輪をはめてもらうと、朝日も公太郎もサイズはピッタリ。まことはこの事実に戸惑いながらも職場復帰を果たしたが、同僚から自身のエピソードを聞くうちに、周囲に合わせて生きてきたこれまでの“自分らしさ”に嫌気がさし、その勢いで会社を辞めてしまった。素直になれて晴々しい気持ちのまことの前に、「一目惚れした」とアプローチする律が現れた。まことと男3人による「四角関係」が動き出すが、彼らはそれぞれ秘密を抱えていて…。

共演者の印象や、自身と律の共通点は?

−−ヒロインのまことに一目惚れをして積極的にアピールしていく役どころですが、どのように役作りをしましたか?

「とにかくかわいくというのが律くんのコンセプトなので、動きはかわいさを意識する一方、社長をしている姿とまことの前でいる姿は自然と変わるものなので、その演じ分けはしています。まことと話すときも、仕事の相談をされたときなどは、社長っぽくしゃべることを意識しています」

−−ほかの作品と共通して行う役作りのやり方はありますか?

「役作りはあまり家で完璧に固めず、現場で監督と相談しながら組み立てていく感じです」

−−共演者の皆さんの印象や現場の雰囲気を教えてください

「生見さんはいつも明るくて、現場でも一番年が近いので楽しい感じです。瀬戸さんはいろいろな現場を重ねて経験も豊富なのが背中を見ているだけで分かってきます。自分が音楽活動をしていることを伝えたら、その場で僕の曲を全部『帰りの車の中で聴くね』って言ってくださってすごく優しい方です。楓珠さんは落ち着いてる方なんだろうなという印象を受けましたが、取材などでご一緒するうちに天然な部分が見えてきて面白い方だなと思いました」

−−その中で何か面白いエピソードを1つ挙げるとしたら何かありますか?

「神尾さんは取材日でご一緒させて頂いた時に、生見さんに向けられた質問を自分が聞かれたと間違えて自分が話しちゃったりとか(笑)。そういう小さいことがたくさんありますね」

−−律とご自身の共通点はありますか?

「好きな物や事に対して猛アタックするというのは、似てるかなと思います」

−−ではけっこう演じやすかったということですか?

「でも律くんはいい意味で傲慢さが多少入っていて、『大丈夫、僕、お金とリサーチ力と情熱があるだけだから』といったことをさらっと言ってしまうタイプなので、そういう台詞はちょっと言いづらいです(笑)」

律の胸キュンポイントは?

−−ミステリー要素も入った作品で、律も謎めいていますが、今作の脚本の印象や魅力を教えてください

「ラブストーリーの中に『四角関係』が繰り広げられるのですが、その中に、まこととの1対1で見えてくるバックボーンが、ミステリアスで面白いなと思ったのが、台本を読んだ時の第一印象でした。一人一人にも思いがあって、1話、2話、3話を見ただけでは、全然まだ先が読めないところがすごく面白いですし、数を重ねるごとにバックボーンが見えてきて、僕も考察もののドラマを楽しんで見ちゃうタイプなのですが、毎話のように波がすごくあるドラマになっていると思いますし、胸キュン好きな人も楽しめるドラマになっていると思いました」

−−以前、火ドラに出演されたときは(2022年放送の「君の花になる」)、キュンも多めの作品だったかと思いますが、それの対比みたいなのを実感してますか?

「TBSさんの火曜ドラマは、本当にいろいろ挑戦しているイメージが強くて、前クールの『Eye Love You』も新しいことにチャレンジしていますし、『君の花になる』の音楽もそうですけど、今回ミステリーを交ぜてやっていくというのは、本当に世界に向けてドラマを作っている印象が強くなりました」

−−生見さんが胸キュンシーンは角度などを意識して撮っていると話していましたが、宮世さんはどういうことを意識して演じていますか?

「3人の男性はまったくキャラクターが違うので、律くんは律くんっぽく胸キュンしたいなと思っています。律は猛アタックする性格で、まことの気持ちも考えてもちろんやってるんですけど、自分の気持ちをいい意味で優先している部分があります。ぐいぐいとリードされることにキュンとする女性も多いのかなと思うので、そこが律くんの胸キュンのポイントかなと思います」

−−現場で宮世さん流の距離の近づけ方はありますか?

「意外と自分から積極的にいかないタイプなので、自然体でいるのがいいのかなと思っています。今回の律くんの役もそうですが、コミュニケーションを頻繁に取るというよりも、必要があるときにしゃべっているという感じです」

−−それはちょっとミステリアスな雰囲気を出すため、というのもあるのでしょうか?

「そうですね。フレンドリーとは言われるのですが、最初の入り口で僕はちょっと人見知りしちゃうんです。これを言うとよく『意外』って言われるんですけどね(笑)」

−−宮世さんがまことのように記憶を失ってしまったら、どんな行動を取ると思いますか?

「こういう時は誰を信じていいのか分からない状態なので、まずは絶対裏切らないであろう家族に連絡します。僕自身、日常のことをすべて家族に報告してるんです。今回はこういう仕事があって、ここでこうして、といったことをお母さんとお父さんに伝えながら生活していて、何かあったときのために普段から防災面などに関しても絶対に共有はしているので、困ったときはお母さん、お父さんにまず会って、いろいろ聞いた話をベースとして信じて、そこから行動したいと思います」

−−もし記憶を失って「以前の自分と何かが違う」と感じたら、記憶があるときの自分に戻そうとしますか? それとも新しい自分として生きていくことを選びますか?

「それまで僕を支えてくださった人たちのことも忘れてしまっているというのは、すごく悲しいことなので、性格を元に戻すことは難しいと思いますが、記憶だけでも思い出して、そのこととしっかりと向き合いながら、自分らしく生きていけたらいいなと思います」

−−今の宮世さんなら、3人の男性の誰に惹かれると思いますか?

「(公太郎を演じる)こじじ(瀬戸康史)さんですかね。元カレなら(自分のことを知ってくれているので)頼れるというのは大きいかなと思います」

−−神尾さんにもお尋ねした質問なのですが、男性陣3人の中で恋愛コミュニケーションが上手そうな人は誰ですか? ちなみに劇中のキャラクターではなく、皆さんを対象に選んでください

「ふーさん(神尾)ですかね…。懐に入るのが上手そうだなと思います」

−−神尾さん自身は「多分、自分が一番ヘタ」とおっしゃっていて、宮世さんについて「ギャップがあるから虜になっちゃうのでは」とおっしゃっていました

「え、そうなんですか?(ギャップのことは)とくに何も意識していないです(笑)。(神尾が『一見クールだけど、実は“弟感”がある』と話していたことを聞いて)第一印象で『クール』とは言われやすいかもしれないです(笑)」

−−オフのリラックス法などあれば教えてください

「最近のリラックス方法は読書です。吉田松陰さんの(これまで残してきた言葉を超訳した)『覚悟の磨き方』っていう本を最近は読んでいます。その本を読んでると、ちょっと嫌な気持ちになって器が小さくなった時に、いろんな考え方を知ることによってリラックスができるんです」

−−ちなみに本は誰かから勧められたものを読むんですか?

「基本的にスマホで読むのですが、スマホの『ブック』で調べたり、お勧めの本のタイトルも流れてきますし、自分が関心のあるジャンルも選択できるので、そういうところから見つけてきます」

−−人にお勧めしたい本や自分の中でのヒット作があれば教えてください

「原田マハさんの『楽園のカンヴァス』という小説がすごく面白くて、まだ僕は途中なんですけど、ミステリー要素も入っていて、原田さんの世界観に引き込まれています」

−−そういう時は仕事柄、特定の登場人物を演じてるような気分になったりするのですか?

「そこは考えることもありますが、全体を俯瞰して見ている感じはあります。特定のキャラクターに感情移入したりすることはあんまりないです」

《宮世琉弥プロフィール》2004年生まれ。宮城県出身。22年に放送された火曜ドラマ「君の花になる」をはじめ話題のドラマや映画に立て続けに出演し、アーティストとしても4月に「Ryubi Miyase」名義でメジャーデビューするなど、幅広く活躍している。