過ごしやすい季節、アウトドアやレジャーを楽しむ人も増えてきました。自然の中に身を置くことで非日常感が味わえると同時に、開放的な気分になる人も多いのではないでしょうか。

そんなレジャーが楽しい季節に体験したある出来事を、都内でOLをしている市川リサさん(仮名・28歳)にお聞きしました。

緑ゆたかなグランピング施設を満喫する予定が

 写真はイメージです(以下同じ)昨年の春、リサさんは休暇を利用して彼氏とグランピング施設へ旅行に出かけました。

「寒い冬がやっと終わって穏やかな季節になったので、彼氏とずっと行ってみたかった、森の中におしゃれなテントが建っているグランピング施設を予約しました。ふたりで旅行に出かけるのも久しぶりだったので、とても楽しみにしていたのですが……」

ずいぶん前から予約をし、評価の高い人気のグランピング施設にやっと行けることになり気持ちは最高潮! のはずが、当日は春雨が降りしきる残念な天候に。

「本当なら広場でレジャーを楽しんだり、BBQをしたりできるはずだったのが、台無しでした。こんなに悪い天気なら、私たち以外に宿泊者はいないだろうと思っていたのですが、予想以上に多くの、しかも私たちのようなカップルばかりが宿泊に来ていました」

激しい雨風でテントが飛びそう……恐怖でいっぱいの夜

晴れた日に楽しめるアクティビティは満喫できなかったものの、屋根付きのエリアで焚火が楽しめたり、屋内でできるボードゲームが充実していたりと、施設側が雨でも楽しめる工夫をたくさん用意してくれていたのだそう。カップルの利用客の多さからか、キャンドルなどのおしゃれな演出もされていて、悪天候を忘れさせてくれるほど魅力的だったのだとか。

 リサさんたちは屋根付きのエリアで焚火を楽しんだ(実際の写真)「雨で少しテンションが下がっていましたが、施設のたくさんの工夫のおかげで楽しく過ごせました。ご飯もおいしく雰囲気も抜群で、天気は残念だったけど来てよかったなと、旅行を満喫していました」

しかし、夜になると日中以上に激しい雨が降りしきる天候に。

宿泊するテントに雨がバシバシと降りつけて、テントが壊れてしまわないか不安になるほどでした。おまけに風も強まり、テントが飛ばされないか、木が折れてこないか恐怖でいっぱいでした」



“聞き慣れない音”が四方八方から聞こえてきた

強まる雨風による恐怖でなかなか眠りにつけなかったリサさん。一方の彼氏はしっかり熟睡モード。そんな中、さらに恐怖を助長する出来事が起こります。

「雨風の音にも耳が慣れてきたころ、雨風の音とは違う聞き慣れない音がどこからともなく聞こえてきました。何かが鳴くような、唸(うな)るような声にも聞こえました」

オオカミや熊が出たのか? それとも何か心霊現象が起こっているの? いろんな想像が膨らみ、リサさんの不安と恐怖は強まるばかり。

「その音と声は四方八方から何時間も聞こえつづけて……その夜は怖くてほとんど眠れなかったです」

何時間も聞こえていた音の「まさかの正体」

翌朝、おそらく耳にしていないだろうとあまり期待をしないまま、彼に昨夜聞こえた恐怖の音について聞いてみたリサさん。

豪雨「彼は熟睡していたかと思っていたのですが、昨夜の謎の音をしっかり聞いていました。それで『昨日の夜、他のテントのカップルたちアツアツだったな〜(笑)』って。なんとあの音の正体は“夜の営み”の声だったみたいです!」

言われてみて初めて、その音の正体に納得したリサさん。

「あまりにいろんな方向から、しかもたくさん聞こえてきていたので、おそらく激しく燃え上がっていたのはひと組だけではなかったと思います。カップルで旅行に来ているんだから、大いにありえることですよね」

グランピング施設のような開放的な雰囲気の中だと、心も開放的になるのかもしれませんね。リサさんは、いくら雰囲気が良くても周囲へ配慮する必要性を考えるべきだと身に染みて感じたそうです。

<文/萩ゆう>

【萩ゆう】
住むところは中国地方や関西など、全国各地を転々と暮らすWebライター。温泉メディア、女性メディアなどで執筆中。特技はマラソンでフルマラソン3時間ギリの記録をもつ。