ホンダの2024年型RC213Vについて、レプソル・ホンダのジョアン・ミルは不満を訴えており、開発の方向性が間違っていたと主張している。

 ここ数年苦戦に喘いできたホンダ。しかし優遇措置を受けられたこともあり、今季は復活を遂げるのではないかという公算が高かった。

 しかし蓋を開けてみればそのパフォーマンスは昨年同等、いやむしろさらに厳しい状況に陥っているようにも見える。

 開幕2戦を終えた段階でホンダ勢は僅か8ポイントの獲得にとどまっており、コンストラクターズランキングでは最下位。ポルトガルGPでミルが記録した11位が、今季ここまでのベストリザルトということになっている。

 今週末のアメリカズGPでもその構図には変化がなく、金曜日の午後に行なわれたプラクティスでは、下位4台をホンダ勢のライダーが占める格好となった。

 レプソル・ホンダのミルは、今週好成績を残せるとは考えていなかったと明かすと共に、ホンダは2024年型マシンの開発の方向性を見誤ったと主張した。

「昨日(木曜日)の段階で、今日に向けてはあまり納得できていなかった」

 そうミルは語った。

「僕らはいくつかの問題を抱えている。おそらく、シーズン初めのテストを終えた後に予想していた以上に苦戦している」

「どんなコースに行っても、この問題は改善されていない。僕らは改善できていないんだ」

「問題が何なのかということについて話すことはできないけど、僕らは間違った方向性を選択してしまい、その代償を今払っているんだと思う。僕らは働き続けなければいけない」

「おそらく問題は発見できたので、その解決に取り組まなきゃいけない。今日はクラッシュがあったから、この順位は僕本来の順位ではないと思うけど、(クラッシュがなくとも)おそらくQ2に進出することができなかっただろうね」

「去年はもっと近かった。コンマ数秒差でQ2進出を逃したくらいだった。でも現時点では、このコース(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)でもポルティマオでも、昨年よりも苦労しているんだ」

 ホンダが問題を解決できると思うかと尋ねると、ミルは次のように語った。

「重要なことは、何が起きているかということについて責任を持ち、迅速に変化し、迅速に方向性を修正しようとすることだ」

「これはとても重要だ。ここで、テストを賢く行なう必要がある。そのためには、譲歩することが非常に役に立つんだ」

「僕はライダーとしては強いと思うし、プッシュしているし、諦めていない。でも、現時点では限界があるんだ」

 1年前のアメリカズGPでは、当時LCRホンダのライダーだったアレックス・リンスが勝利。ホンダ陣営に貴重な1勝をもたらした。しかしミルは、その時と比べるとバイクはブレーキング時のポテンシャルと俊敏性が悪化したと語る。

「このバイクは、ブレーキングと回頭性がかなり優れていた部分だった。他のバイクよりも機敏に動いたんだ。でも今はそうじゃないんだ」