RBの角田裕毅にとって、F1第5戦中国GPは散々なレースとなってしまった。週末を通して速さが出せず、19番グリッドからスタートした決勝レースでは、着実に順位を上げていたものの、ケビン・マグヌッセン(ハース)との接触でダメージを負い、リタイアとなってしまった。

 19番手スタートの角田は1周目でポジションを3つ上げると、10周も経たずに1回目のピットインを済ませるアグレッシブな戦略を採った。さらにバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)のストップによりセーフティカーが出されたことで2度目のタイヤ交換を行ない、27周目のリスタートを14番手で迎えた。

 そしてリスタート直後にケビン・マグヌッセン(ハース)を抜いて13番手に上がった角田だったが、ヘアピン状のターン6へのブレーキングでマグヌッセンがオーバーテイクを仕掛けた際、角田と接触。角田はタイヤがパンクしてしまい、レースを終えることになってしまった。

 角田はオーバーテイクを仕掛けたマグヌッセンに対してスペースを空けていたが、マグヌッセンが外側に膨らむような格好となって接触してしまった。このアクシデントに対してはマグヌッセンに非があるとして、彼に10秒のタイムペナルティが科された。

 状況次第では、入賞争いに絡むことも不可能ではない位置までポジションを上げていただけに、非常に腹立たしいアクシデントであったと角田はレースを振り返った。

「それまでの進捗には満足していたので、ああいうレースの終わり方をしたことは残念です。特に僕は彼にかなりのスペースを空けていたので、リタイアに終わったことは悔しいですし、腹が立ちます」

 また、マグヌッセンに対する10秒ペナルティは妥当かと尋ねられた角田は、こう返した。

「それはもちろん5秒ペナルティよりは良いですし、最低限そのくらいのペナルティが科されるべきだと思います。彼はレースを続行できた一方で僕はできなかったわけで、中団争いをしてレースを終えられたはずだと考えると残念です」

「ペースも決して良かったわけではないですが、僕たちの進歩という点では満足感もありました。ただペース自体は良くなくて普通という感じだったので、その理由を見つけないといけません」

 ここまで角田は2戦連続入賞、3戦連続予選トップ10と流れに乗っていただけに、中国での苦戦が際立つ形となった。次戦は2週間後のマイアミGPだが、「そこでいつもの調子を取り戻すことができれば、またポイント争いができると思います。だからこそ僕たちは懸命に頑張り続けます。クルマは昨年ほど悪くないと思うとハッピーですし、最後まで頑張り続けるのみです」と前向きに語った。