F1第5戦中国GPで、RBの角田裕毅は予選19番手、決勝リタイアという結果に終わった。今週末の角田はここ数戦の好調ぶりが鳴りを潜め、終始苦しい戦いを強いられた。

 第2戦から3戦連続の予選トップ10、第3戦から2戦連続の入賞を記録するなど、中団グループの中で輝きを放っていた角田だったが、今季初のスプリントフォーマットとなった中国GPではスプリント予選で19番手に沈むと、翌日のスプリントレースは16位。そして本戦の予選でも19番手に沈んだ挙句、決勝レースでは波乱に乗じて13番手まで上がっていたものの、レース中盤にケビン・マグヌッセン(ハース)に接触されてリタイアに終わった。

 予選後のインタビューでは、その不可解なまでの不調ぶりに「マシンに何がか起きている」とコメントしていた角田。決勝のレースペース自体はそれほど悪いというわけではなかったようだが、抱えている問題に関しては根本的な原因がまだ見つかっていない様子だ。

 こういった問題は上海特有のものだと思うかと問われ、「正直そうは思いません。ただ僕はここ数戦7番手や8番手を争っていたのに、突然そこまで落ちるのは考えづらい。何か起こっていると思うので、確かめないといけません」と答えた角田は、さらにこう続けた。

「問題の根源になるようなものはまだ見つかっていません。こういうことはたまに起きますし、次のラウンドに向けては色んなものを変更し、その結果良くなっていればと思います」

「チームは頑張って原因を探っていますが、まだ見つけられていません。またデータを見ても、他のマシンよりスライドしているので、何かが起こっていると思います」

 そう語るように、角田はマシンのリヤがスライドする症状に週末を通じて苦しめられた。ただリヤのグリップ、安定性をセットアップ変更で解決しようとすると、今後は回頭性、旋回性能が悪くなる悪循環に陥ってしまうと角田は説明した。

 また今回のレースに向けてシャシーを交換していたチームメイトのダニエル・リカルドは、予選で12番手と角田を上回るパフォーマンスを見せ、レースでは角田と戦略が違っていたため直接比較は難しいものの、まずまずのペースで走行していた。結局リカルドもランス・ストロール(アストンマーティン)に追突された影響でレースを途中で終えたが、角田はそんなリカルドのマシンをレース中に観察し、自身のマシンとの挙動の違いを感じ取っていたという。

「特に決勝に関しては彼(リカルド)のペースが良かったので、チームとしてポイントを獲れなかったことは残念です」と角田。

「僕の方はリヤがスライドしていました。となるとリヤ(のグリップ)が強くなるセットアップにしないといけませんが、今後は回頭性が犠牲になります。そうすると、全てが悪循環に陥ります」

「彼とこのレースで何度か一緒に走った時、同じクルマとはいえトラクションの量がかなり違っていたように感じました。もちろん僕がダーティエアにいた影響もあるかもしれないので100%そうだとは言えませんが、いつもよりもそういう感じがしたので、見てみないといけません」

 今回のレースで得たヒントを基に、角田とRBは問題を解決することができるか? 次戦マイアミGPは2週間後の開催だ。