ローレンス・ストロールは、アストンマーティンF1の株式を少数ながら手放し、F1の価値が高騰している今、利益を得ようとしているようだ。

 ストロールは2018年、破産したフォースインディアを引き継ぐ形でF1チームを取得した。当初チームの名称はレーシングポイントだったが、2021年からアストンマーティンF1に変更された。

 ストロールはチームを取得以来、その株式を少しずつ売却。例えば2023年には、投資ファンドであるアークトス・パートナーズが、チームの株式の一部を取得している。今後もその動きは続いていくようで、ブルームバーグによればストロールはチームの株式25%を売却する方向で調整しているという。

 このストロールの動きは、F1の人気が高まりつつある今、その恩恵を受けるための策であるという。チームの株式は2018年以降高騰しており、現在のチームの価値は13億ドル(約2000億円)にもなったと言われている。しかもストロールは、少数の株式を手放したとしても、依然としてチームに強い影響力を与えている。

 なお株式買収の件について尋ねられたチームは、この動きについて認めなかった。

 アストンマーティンは2022年までは中団チームの一角にすぎなかったが、2023年には一気に躍進。優勝にこそまだ手は届いていないが、表彰台の常連となり、2024年も上位を争う存在となっている。また、ストロールは巨額の投資を行ない、シルバーストンのファクトリーを拡充。2025年には新しい風洞も稼働する予定となっている。

 さらにテクニカルレギュレーションが変更される2026年からはホンダとパートナーシップを結び、同社のワークスパワーユニットを使う。サウジアラビアのエネルギー企業であるアラムコとのパートナーシップも強化されている。