インディカー・シリーズに参戦するアロー・マクラーレンは、バーバー・モータースポーツパークで開催された第3戦の翌日、所属ドライバーのデビッド・マルーカスとの契約を解除したことを発表した。

 シカゴ出身のマルーカスは2022年にデイル・コイン・レーシングからインディカーにデビュー、同年は佐藤琢磨とチームメイトだった。デイル・コインには2シーズン所属し、表彰台も2度獲得。今季からはアロー・マクラーレンに移籍し、6号車をドライブする予定だった。

 しかし、マルーカスは3月の開幕まで1ヵ月を切った2月11日にマウンテンバイクの事故で左手首を負傷。手術を余儀なくされた。それからはシーズン開幕以降欠場が続いており、代役として開幕戦セント・ピーターズバーグとノンチャンピオンシップ戦の『ミリオンダラーチャレンジ』、そしてインディアナポリスでのテストではカラム・アイロットが、第2戦ロングビーチと第3戦アラバマではテオ・プルシェールが出走した。

 アロー・マクラーレンは声明の中で、マルーカスが「ここまでのところ全てのレースに出場することができず、復帰の目処も立っていない」ことが契約解除の理由としている。

 結果的に、アロー・マクラーレンでは1戦も戦うことができず、チームを離れることになったマルーカス。彼は次のようにコメントを寄せた。

「ここ3ヵ月はとても大変な時期だった」

「アロー・マクラーレンでドライブするというチャンスを得られたことを光栄に思うと共に、それが実現しなかったことを悔しく思っている」

「これからもチームとそのパートナーたちを代表して、走り続けたかった。彼らが僕のためにしてくれたことの全てに感謝している」

「治療、理学療法、筋力トレーニングなど、リハビリのプロセスを早めるためにできることは全てやってきた。でも回復は予想以上に時間がかかっている。怪我の状態は人それぞれだし、治癒までのペースも人ぞれぞれだ。僕は100パーセントの状態に戻すことに全神経を注ぎ、それから勝つために戦う準備が整っていることを証明した」

 なお、アロー・マクラーレンは現在2024年シーズンの残りレースに出走するドライバーを最終調整中であり、今後については追って発表される予定だ。ここまで代役を務めてきたアイロットはWEC(世界耐久選手権)、プルシェールは日本のスーパーフォーミュラに参戦しているため、彼らが正式な後任となる場合はそれらのカテゴリーとの兼ね合いも気になるところだ。