今季のコンストラクターズランキング上位を争うフェラーリとマクラーレン。2チームのパフォーマンス差は、サーキットによる部分はあるものの「0.1秒以内」だとフェラーリのフレデリック・バスール代表は考えている。

 2024年シーズン開幕から5戦を終えて、フェラーリは一貫して上位を争い、オーストラリアGPではカルロス・サインツJr.が優勝。現時点でレッドブルのマックス・フェルスタッペン以外で今季唯一のウィナーである。

 しかしマクラーレンのランド・ノリスは、直近の中国GP決勝でフェルスタッペンに次ぐ2位フィニッシュ。フェラーリ勢はシャルル・ルクレールが4位、サインツJr.が5位に終わった。

 中国GPでフェラーリはマクラーレンから一歩後れを取ったのかと訊かれたバスール代表は、チーム間の差は、各サーキットでマシンのパフォーマンスを最大限に引き出せるかどうかにかかっていると答えた。

「0.1秒か0.05秒の差だと思う」とバスール代表と言う。

「たとえばメルボルンでは、60周を回って8秒前でレースを終えた。我々が持っているモノからベストを引き出せるかどうかにかかっているのだ」

「正直なところ、我々は開発の話をしている。まずチームとして、今あるモノを最大限に発揮する必要がある。ただ今回(中国GP)はその仕事ができなかった」

「ある週末と別の週末で状況が大きく変わる訳ではない。コースによるモノもあれば、路面によるモノもある。(上海国際サーキットの)路面を理解するのはとても難しかったと思う。このフォーマットによってね」

「つまり、このような状況理解やアプローチが最後に差を生むということだ。我々が話しているのは0.1秒に関するモノで、0.5秒について話している訳ではない」

 またバスール代表は、勢力図が見えない現在の熾烈な上位争いでは、些細なことが大きな違いを生み出すと語った。

「普通の週末なんてない。シーズン序盤だから、全体が非常にタイトだ」とバスール代表は言う。

「おそらく、マックスが速いこともあるだろう。しかし0.1秒に6〜7台がひしめく集団なのだ。細かいことで、ヒーローにもゼロにもなり得るということだ」

「9番手からスタートした場合、レースはもっと難しくなる。速かったとしても、レース序盤はダーティエアーの中を走ることになるからね」

「しかし基本的には、速かったとしてもオーバーテイクには苦戦する。大きなスピード差がなければね。最初の10周でタイヤを痛めてしまえば、その後は戦えないも同然だ」

「全てを上手くやりこなすことができるかどうかだと思う。我々としてはクリーンな週末ではなく、ミスが多すぎた」

「このグループでは、完璧な仕事をしなければ上位に食い込むことはできない」