富士スピードウェイで行なわれたスーパーGT第2戦。ポールポジションを獲得したのは17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTの塚越広大/太田格之進組だった。今季デビューのシビック・タイプR-GTにとっても、初のポールとなった。

 開幕戦岡山では1周目の混乱に巻き込まれ、早々にレースを終えるという不本意な週末となった17号車。しかし迎えた富士では練習走行から速さを見せた。チームと共に見直したセットアップがうまくハマったとのことで、それに伴う好成績へのプレッシャーによって塚越は「気持ち悪くなるくらい」だったという。ただそんな中で迎えた予選でも太田がQ1トップ、塚越がQ2で3番手のタイムを出し、ポールを手中に収めた。

 今季の開幕前テストの段階では、ホンダ陣営のドライバーや関係者から「シビックは発展途上でありポテンシャルを引き上げている最中」といったような控えめなコメントが多く聞かれた。しかしながら、シビック勢は2戦目ながら予選で速さを見せ、17号車がポール、そして3台がトップ6に入るというパフォーマンスを見せた。

 これは富士との相性によるものなのか、それともシビックのポテンシャルが引き出せている証拠なのかと記者会見で尋ねると、太田は富士のあらゆる区間で速さを感じられているといい、次のように語った。

「確かに今年からのクルマで、発展途上というか、初めは開発で少し後れをとっているのかなという部分が見受けられました。ですが、その辺りはホンダ陣営としてアップデートを重ねてきています」

「『(シビックは)ダウンフォースが減ってドラッグも減ってストレート重視』みたいなことを言われてますけど、今日の予選ではグリップも抜群だったし、全域で上回ってるようなフィーリングも感じられたので、これからさらにシビックの強みを出すのが楽しみです」

 一方でベテランの塚越は、「オフの間色々テストしてきた中でいくと、シビックの良いセッティングはまだ見つけきれてないと感じている」としつつも、「僕たち17号車としても、開幕戦の時よりは良いシビックのセットの方向性が見つかってきたのかなとは思っています」と述べた。

 翌日の決勝レースは3時間レースという初のフォーマットになるが、塚越は「3時間レースで色々とあると思いますが、僕らとしては『まず速くないと勝てない』と思っています。しっかり速さを磨いて、ここ(会見場)に帰ってきたいと思ってます」と述べて会見を締め括った。