2014年から、ターボ&ハイブリッドシステムの“パワーユニット”(PU)を採用しているF1。しかし2030年からは、その規則が大きく変わる可能性もあることをステファノ・ドメニカリCEOがほのめかした。
F1の首脳陣は現在、FIAと2026年のシャシー及びPU規則の最終調整を行なっており、それらは今後数週間で決定される予定だ。そして注目は既に、その次の時代のルールへと移っている。
ターボエンジンとエネルギー回生システムのハイブリッドを15年に渡って採用することになるF1は、2030年に向けて劇的な規則変更をする可能性があるのか? これについてドメニカリCEOは、現在のコンセプトを完全に放棄することも選択肢のひとつであることを示唆したのだ。
そして新規則下では、F1エンジンをより大音量とすることが目標になる可能性がある。2014年のPU時代以降は、それまでのV8エンジン時代と比べて音が物足りないという不満が多く聞かれた。2026年に向けてその点で一歩踏み出すのではないかという期待もある一方で、現状としてはF1が望まれているようなレベルには程遠いことも確かだ。
したがってF1は、グランプリレースのニーズに合った解決策を見つけるために、新技術の導入やV8エンジンの回帰なども含め、様々な選択肢を検討する可能性がある。
ドメニカリCEOはエミリア・ロマーニャGPを前に、motorsport.comイタリア版を含む一部メディアの取材に応え、F1がエンジンの騒音を取り戻すことを望んでいると述べた。さらに、F1が2026年に向けて完全に持続可能燃料に切り替えることに成功すれば、ハイブリッドを廃止して新たな方向性に向かうことも考えられると示唆した。
「2026年のレギュレーションが決まり次第、2030年のエンジンなど、次のステップについて考え始めるつもりだ」
ドメニカリCEOはそう語る。
「これは私が個人的に検討していることであり、FIAとは話をしたわけではないが、もし持続可能燃料が機能するのであれば、我々はハイブリッド(技術)を継続するのか、それともより優れたソリューションが利用できるようになるのか、慎重に評価する必要があるだろう」
■V8エンジンは復活するのか?
ドメニカリCEOは代替となる選択肢についての詳細を明言しなかったが、F1が100%持続可能な燃料で成功を収めれば、人気の高いV8エンジンに回帰することに対して環境面で反対する声もなくなるのではないかという指摘は、ここ数年多くなされてきた。最近はF1マシンが重くなり過ぎていることも懸念材料として挙がっているが、V8エンジンへの回帰は軽量化にも繋がることが期待される。
F1ワールドチャンピオンであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンは昨年、F1がどうあるべきかというビジョンについて語ったが、その中にはV8エンジンへの移行も含まれていた。
「僕なら間違いなくハイブリッドを廃止するね」
フェルスタッペンはそう語っていた。
「V8のマシンに乗ると、エンジンのスムーズさにいつも驚かされるんだ。トップスピードは今のものと比べると遅いけど、エンジンのピックアップとトルクが良いんだよね」
「その他の(パワー)デリバリーのプロセスもスムーズだ。シフトダウンもシフトアップも。今の物よりずっと自然なんだ」
■2026年のレギュレーション策定は?
ドメニカリCEOはまた、2026年のレギュレーション策定の進捗状況についても報告した。
「ここ数週間で、様々な関係者の間で調整が行なわれ、2026年レギュレーションは6月1日に発表される予定だ」
「FIAはその後、多くの変更点を説明することになる」
「可能な限りをそれを明確にすることが重要だ。というのも、私は新しいレギュレーションに対応しない一連の解釈を目にしたからだ」
新レギュレーションはまだ確定していないが、ターボ&ハイブリッドのPUを選択したことで妥協を余儀なくされた点についてはすでに懸念が生じている。
そのひとつが車重であり、ドメニカリはエンジンサウンドも非常に重要だと繰り返した。
「現時点では、残念ながら必要なことだが、それはシングルシーターの重量に関係している」
「ハイブリッドのPUソリューションを2026年まで維持することで、大幅な重量増は避けられない」
「2026年のシングルシーターと10年前のマシンを比較すると、重量が重要な問題になっていることがわかる」
「ドライバーは皆、より軽いマシンを望んでいるし、個人的にはもう少し大きなサウンドも欲しいと思っている」
「この最後の点について、我々は音量を増やそうと努力している」
「我々が行なっている調査から、すべての市場、すべての年齢層が、サーキットに近づいたときに特定のタイプ(のエンジン)だけが伝えることのできるエネルギーや振動、そしてより良い音を求めていることが浮かび上がってきたんだ」
V8復活もあり得る!? F1のドメニカリCEO、持続可能燃料が成功すれば2030年にもエンジン規則を見直す可能性を示唆
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